ちょっと気になる公演:『CARCAÇA(カルカサ)』

ポルトガルの振付家マルコ・ダ・シルヴァ・フェレイラの2022年の作『CARCAÇA(カルカサ)』が、KAAT神奈川芸術劇場にて上演されます。

フェレイラは、独学でダンスを学び、ホフェッシュ・シェクター、ティアゴ・ゲデスといった振付家の元で研鑽を積み、2016年に発表した『Brother』という作品が評価されて注目を集めるようになります。2023年にはフランスのリヨンにあるメゾン・ドゥ・ラ・ダンスのアソシエイト・アーティストに就任しています。『CARCAÇA』は2022年に初演されてからワールド・ツアーを続け、現在も各地で上演されています。

「CARCAÇA」とは絶滅した動物の骸骨を意味するポルトガル語だそう。10人のダンサー、2人のミュージシャンによりポルトガルの過去、現在、未来を表現します。

接する機会が少ない、ポルトガルのコンテンポラリー・ダンス、興味深いですね。

フェレイラのコメント -映像コメントより引用―
『CARCAÇA(カルカサ)』の振付家マルコ・ダ・シルヴァ・フェレイラです。

この作品を KAAT で再演できることを心から嬉しく思っています。本作では集団の記憶やアイデンティティ、その変容を掘り下げました。まずポルトガルの伝統を振り返り、特に継承されてきた大衆の踊りや体を使った儀式に着目しました。こうした伝統の多くは抵抗や社会の団結力から生まれますが、年月とともに力強さを失い洗練され、時に忘れ去られます。本作ではこの身体的記憶を失くすとどうなるか、それらを保存対象としてではなく、今後も変化し続けるものとして、再び命を吹き込む方法を探りました。舞台上では 10 人のダンサーが激しさや衝突、歓喜をもって動き回り、その「架空の世界」と現代を行き来します。都会的リズムやテクノビートといった身体性も重要な要素です。

本作を、文化的伝統と現代的な想像力を併せ持つ国、日本で上演出来ることを誇りに思います。

KAAT でお会いできることを楽しみにしています。『CARCAÇA(カルカサ)』が皆さんの心に残りますように。


『CARCAÇA(カルカサ)』
公演日程
10月24日(金)19:00
10月25日(土)14:00

会場: KAAT神奈川芸術劇場
チケット料金:一般 6,800 円、神奈川県民割引(在住・在勤) 6,000 円、U24 チケット(24 歳以下) 3,400 円、高校生以下割引 1,000 円、シルバー割引(満 65 歳以上) 6,300 円

詳しくは:『CARCAÇA(カルカサ)』KAAT神奈川芸術劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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