インタビュー:坂本彩さん、坂本リサさん ピアノデュオ
インタビュー:ピアノデュオ 坂本彩さん、坂本リサさん
現在はドイツ国立ロストック大学に籍を置いている坂本彩・坂本リサ姉妹。
若手演奏家の登竜門として知られるARDミュンヘン国際音楽コンクールピアノデュオ部門にて、日本人デュオとして初めて第3位および聴衆賞を受賞。国内外の数々のコンクールにて受賞をしています。
Recital in IMA Hall, Tokyo©︎藤原りえこ
この度、2022年7月17日(日)にHAKUJU HALLで行われたリサイタルのために帰国したお二人へ、文章によるインタビューをお願いしました。
秋には東京交響楽団との共演も
── 現在ドイツに留学をされていますが、今後国内での活動の計画はありますか?やはり海外が主となるのでしょうか。
ありがたいことに今年や来年、日本での演奏機会も多くいただいております。
あと数年はロストック音楽大学での勉強を続けながら、日本とドイツを拠点に演奏活動を続けられたらと思っておりますし、機会さえあればどこへでも飛んで演奏したいです!
挑戦してみたいのは、プーランク、ブルッフ、メンデルスゾーン
── もし具体的に注目している曲があればよろしくお願いします。
彩&リサ:ピアノデュオのオリジナル作品を中心に、時代や国籍を問わず、様々なレパートリーを増やしていきたいと思っています。特に今挑戦してみたい作品は、プーランク、ブルッフ、メンデルスゾーンによる2台ピアノのためのコンチェルトです。
夢はやはりピアノデュオの新曲です
── 坂本姉妹の為に新たな曲を書いてもらうなど、作曲に関してはなにか希望はもっていらっしゃいますか?
彩&リサ:やはりピアノソロ作品と比べると、ピアノデュオのためのオリジナルの作品は少ないので、今の時代を生きている、日本のみならず海外の方も含めた作曲家に、ピアノデュオのための新曲を書いていただき、それを自分たちの手で紹介することは私たちの夢です。他の楽器とピアノデュオとの組み合わせも無限に考えられるので、さまざまな想像を膨らませています!
更に演奏には幅を広げたいです
── 現代音楽、クラシックを軸に演奏をされていますが今後もこれらが主になるのでしょうか。ポピュラー音楽の演奏などは考えていますか?
彩&リサ:これからもクラシック音楽を軸に演奏活動を行っていきたいと考えています。現代では音楽のジャンルの境目も曖昧になっていると思いますが…留学を終えたら、更に幅を広げてさまざまなジャンルに挑戦していきたいと思っております。
一音、一音を大切に
── 演奏に備え、曲目をストーリー仕立てにして構築し仕上げるとお聞きしました。ご自身で作曲や即興での演奏などは考えていますか?
彩&リサ:私たちは血の繋がった姉妹ではありますが、それぞれが全く異なった思想を持った別の人間です。二人でひとつの曲を演奏するために、ワンフレーズ、一音一音について話し合って同じイメージを共有することで、表現に確信が持てるのかなと思っています。即興をして二人で遊ぶことはたまにありますし、自分たちで曲を作ることにも興味はあります。ですが、全く人様にお聴かせできるレベルではないので、いつになるかは分かりません…!
私たちにしか出来ない演奏を
── 今後、チャレンジしたい曲目、作曲家はいますか
彩&リサ:これからもふたりで出来るだけ長く演奏活動を続けていきたい、というのが現在の率直な目標です。小さい頃から、ピアノデュオとして世界中の色々な場所で演奏を聴いていただくことは、私たちにとってひとつの大きな憧れでした。これからも私たち二人にしか表現し得ない世界を求め、ピアノデュオ作品の持つ可能性を自分たちによって少しでも広げることができればと思っております。
新たな楽器とのコラボレーション
── お二人の今後の目標は?共演してみたい人、共演してみたいオーケストラはありますか?
彩&リサ:最近は二人での演奏ばかりなので、上に書いた通り、ピアノ以外の楽器との新たなコラボレーションを心から欲しています! また、日本や海外の各地方のオーケストラとの共演の機会もあればいいなと願っております。
日本とドイツを行き来してご多用の中、お二人での丁寧な回答をいただきありがとうございました。
日本トップクラスのピアノデュオは、今年の10月と、来年の2月にも国内公演を予定しています。ぜひ、劇場へ足を運んでみましょう。
東京交響楽団
モーツァルト・マチネ 第51回
モーツァルト『2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365』演奏予定
2022年10月8日(土)会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
開演:11時
★ チケット料金
4,000円
詳しくは:ミューザ川崎シンフォニーホール
東京交響楽団
東京オペラシティシリーズ 第129回
モーツァルト『2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365』演奏予定
2022年10月9日(日)会場:東京オペラシティコンサートホール
開演:14時
★ チケット料金
3,000円〜8,000円
詳しくは:東京交響楽団
埼玉会館ランチタイム・コンサート 第55回
Piano duo SAKAMOTO(坂本彩・坂本リサ)
2023年2月3日(金)会場:埼玉会館 大ホール
開演:12時10分
★ チケット料金
1,000円
詳しくは:埼玉県芸術文化振興財団
九響 第412回定期演奏会
2023年5月19日(金)会場:アクロス福岡シンフォニーホール
開演:19時
★ チケット料金
5,700円~3,600円
詳しくは:九州交響楽団
坂本彩・坂本リサ・ピアノデュオ・リサイタル
Piano duo Sakamoto
(坂本彩&リサ)プロフィール
Piano duo Sakamoto 左:坂本彩 右:坂本リサ
姉妹ともに福岡県出身。彩6歳、リサ4歳よりピアノデュオを始める。
ピアノデュオにおいては最難関とされる第70回ARDミュンヘン国際音楽コンクールピアノデュオ部門において、日本人デュオとして初の第3位入賞・併せて聴衆賞を受賞。
その他、国内外の多数のピアノデュオコンクールにおいて上位入賞を重ねているほか、それぞれにピアノソロコンクールの受賞歴も有する。
2022年3月、日本センチュリー交響楽団定期演奏会において、久石譲氏作曲「Variation 57〜2台のピアノのための協奏曲〜」管弦楽版を作曲者自身による指揮のもと世界初演。その他、日本とドイツを拠点に、オーケストラとの共演や主要ホールでの演奏会など積極的な演奏活動を行っている。
NHK-FM『ありがとうFM50』やNHK『クラシック倶楽部』などの音楽番組、NHK Eテレ『囲碁フォーカス』ほか、テレビ・ラジオにも多数出演している。
姉妹ともに東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程ピアノ科で学び、ドイツ国立ロストック音楽・演劇大学ピアノデュオ科修士課程を最優秀の成績で修了。現在、同大学の国家演奏家資格課程に在籍。2020年よりドイツ・Familie-Rahe財団奨学生。
ピアノデュオを加藤真一郎、伊藤恵、Olha Chipak&Oleksiy Kushnir、Hans-Peter Stenzl&Volker Stenzlの各氏に師事。
姉妹共に日本棋院・囲碁三段。
アイキャッチ使用画像©︎FUKAYA Yoshinobu/aura Y2
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