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コラムシリーズ2 合唱サークル指導者という音楽の仕事

音大声楽科卒業後の活動の一例
大きな目標の準備のため、時間とお金が必要な場合
あっという間に卒業の時が来てしまう

音大声楽科在学中にさまざまなコンクールにトライしてきた、オーディションを受けて舞台に立つ機会があった、あるいはバンドを組んだりボーカルグループを作ったりして活動してきた、という人も多いことでしょう。

大学は4年間で単位を取得できていれば卒業、ということになってしまいます。もう学生ではありません、社会人です。

でもまだプロの音楽家として歩み出す準備が整っていないと内心思っている学生は多いはず。

まともな就職活動をしないままあっという間に卒業の時期はやってきてしまいます! 当然ですが、声楽科で4年間勉強したからといって卒業後すぐに音楽の仕事があるわけではありません。

音楽家になるためにやっておきたいことがある

大きなコンクールに出て入賞したい、メジャーデビューしたい、留学したい……、大学で過ごした4年間の先には、就職一択だけでなくいろいろな選択をすることができます。

何か目標、憧れ、なりたい自分像がしっかりあってそれを成し遂げるのだ、というかたい意思がある場合、フルタイムで働いていてはその準備はなかなか難しいです。時間の自由が利くアルバイトを掛け持ちする日々を送ることになるのでしょうか。

音楽家としてのキャリアに空白期間を作らずにすむ

時給の良いアルバイトを探すのも良いですが、音楽家であることを忘れずにいられる場所、また専門教育を受けたからこそいられる場所、があります。

合唱サークルの指導者という仕事です。フルタイム、パートタイム、自分の都合に合わせて働き方を決められます。

みんなで声を合わせて歌う場所──学生までは当たり前にあった場がアルバイト先にはありません。とても楽しく歌う場所、自分がいるべき場所だと感じられるあたたかな場所、そこでお金を稼ぐことができるのです。

立派な音楽業界のプロの音楽家の仕事です。プロフィールに、音楽を離れている期間がないのはとても重要です。継続して公の場でキャリアを積んでいたと示すことができるのです。

大きな目標へ向かう途中、意思を持ち続けることができ、自分の自信にもつながります。

NPO法人で音楽家のキャリアを築く

「NPO法人音楽で日本の笑顔を」では、音大での勉強、経験を生かし音楽の仕事として社会貢献活動できます。

このNPO法人はオペラ歌手の故中島啓江が立ち上げた法人で、1都6県にある300以上のコーラス団体「スマイル合唱団」「青春ポップス合唱団」を支援しています。各地域の合唱サークルを作り、その後の支援活動を行い住民の健全交流を促し、生涯学習、高齢化社会での生き甲斐づくりに寄与しています。また、音楽家達の雇用を促進し、コンサートなどの公演を行い、文化を育む活動も行っているのが特徴です。被災地では心の復興の為に定期的に合唱活動も行っています。

現在、約30名ほどの音楽家指導員が活躍中で、声楽専攻だけでなく、ピアノ・楽器・作曲・指揮など、さまざまな専攻の指導員が合唱指導にあたっています。

「NPO法人音楽で日本の笑顔を」には、常勤・非常勤がある

合唱指導員として、各地域の活動に指導に行くのが主な仕事内容ですが、常勤指導員になると事務局内での内勤業務も行うことになります。

・常勤指導員
月給:200,000円~(フルタイム)
賞与(年2回)・昇給(年1回)有
〈給与例〉給与(賞与含む)+音楽活動=400万円/年
・非常勤指導員
1回1.5時間の合唱指導につき4,000~5,000円(1日2回がセット)

※コンサート出演の際は別途ギャランティーの支給あり

合唱指導の他、コンサート出演の機会も多数! やりがいを感じながら確かな演奏経験も積むことができる

毎日様々な地域の合唱団に行き、合唱団員さんと音楽を通じた交流が持てるだけでも、音楽家として非常にやりがいを感じられることでしょう。それだけでなく、年に数回のコンサートに出演することができ、確かな演奏経験も積むことができます。合唱団の応援団長には安田祥子さんが就任されており、同じステージに立って演奏する機会もあるそうですよ。音楽を通じて社会貢献活動もでき、また演奏家としてもレベルアップしていける、それがNPO法人音楽で日本の笑顔をの職員になる最大のメリットですね。

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