ウルトラシリーズとクラシック音楽② 音楽家 冬木透×ウルトラマンA51話「命を吸う音」×J.S.バッハ『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ』 シン・ウルトラマン便乗短期連載
冬木透について
冬木透は昭和期の円谷ウルトラシリーズの過半数の音楽を手掛けた音楽家です。どのくらいかというと、以下の昭和ウルトラシリーズ(劇場版の単発作品除く)のリストのうち★印が彼の作曲・選曲担当作です。
- ウルトラQ
- ウルトラマン
- ★ウルトラセブン
- ★帰ってきたウルトラマン
- ★ウルトラマンA
- ウルトラマンタロウ(ただし挿入歌を一曲作成)
- ★ウルトラマンレオ
- ★ザ☆ウルトラマン(アニメ、外伝作品。宮内國郎と共同)
- ★ウルトラマン80
- ウルトラマンキッズシリーズ(アニメ、派生作品)
- ウルトラマンUSA(アニメ、海外制作の外伝作品)
平成以降の作品では、『平成ウルトラセブン』(1999)、『ネオス』(2000)、『コスモス』(2001)でシリーズを通して担当しており、『マックス』(2005)、『メビウス』(2006)、『タイガ』(2019)、『Z』(2020)でもエピソード単位での参戦や楽曲提供を行っています。
ウルトラシリーズ以外では、NHKの連続テレビ小説『鳩子の海』(1974)や、アニメ『牧場の少女カトリ』(1984)などでも音楽を手掛けています。
本名は蒔田尚昊(まいた しょうこう)といい、冬木透は映画やテレビの音楽を担当するときのペンネームです。
1935年、当時の満州国に生まれ、10歳のころに終戦、その後14歳のころ母の故郷である広島に戻ります。やがてエリザベト音楽短期大学(現エリザベト音楽大学。短期大学は1966年廃止)、国立音楽大学で学び、TBSに入社。そのなかでウルトラシリーズに携わります。
本名の名義では児童向けの合唱曲や聖歌などを多数作って発表しています。
蒔田尚昊 ガリラヤの風かおる丘で
クラシック音楽を学んできた経歴から、特に有名なところでは『ウルトラセブンの歌』はシュトラウスの『アルプス交響曲』に似ていると言われるなど、クラシックの音使いを楽曲のあちこちに感じられます。
冬木の音楽性が明に暗に、番組を通じて、視聴者にクラシック音楽の素敵さを届けてくれていたようです。
特報!冬木透コンサート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001959.000012949.html
「ウルトラ音楽の父」冬木透作品による
希望の光コンサート
2022年9月10日(土)
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
開演:15:00
★チケット料金
6,300円(税込。全席指定)
詳しくは:キョードー東京
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