ウルトラシリーズとクラシック音楽② 音楽家 冬木透×ウルトラマンA51話「命を吸う音」×J.S.バッハ『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ』 シン・ウルトラマン便乗短期連載
ウルトラマンA51話「命を吸う音」×J.S.バッハ『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ』
ウルトラマンA(エース)について
ウルトラマンA(エース)はウルトラマンシリーズの第4作目にあたります。
シリーズの中でも様々な新しい試みや、これまでの試みの強化が行われた転換点的作品です。
北斗星司と南夕子の主人公二人が合体変身するダブル主人公の複雑なドラマ(ただし中盤から南が降板し、北斗の単独変身になる)や、前作で好評だったウルトラ兄弟というチームの設定、初代やセブンたちの客演、これまでのウルトラマン総がかりで戦う強敵の登場など、ヒーローたちの絆を深めました。
何より大きな特徴として、本作では「異次元人ヤプール」というシリーズを通じての悪役が初めて登場します。毎週現れる怪獣(本作では怪獣を超える強さの超獣と呼びます)は多くがヤプールの配下や、ヤプールが暴れるように手引きしたものなどで、黒幕の存在が常にある緊張感を醸しました。
中盤で一度決戦が行われてヤプールは倒されますが、その後も残党や怨念による被害を出し続け、特に人間の欲望やエゴを怪獣に変化させることが多く、シリーズ最終話までAを苦しめます。
実はもともと『ウルトラA』というタイトルを企画していたのですが、商標が被ったので急遽『ウルトラマンA』というタイトルになり、以降のシリーズも『ウルトラマン〇〇』のタイトルが定着するようになる契機にもなっています。初代は『ウルトラマン』で3作目が『帰ってきたウルトラマン』であるため、2作目『ウルトラセブン』だけがマンを挟まない名前になってしまいました。
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