ウルトラシリーズとクラシック音楽① ウルトラセブン最終話「史上最大の侵略 後編」×シューマン『ピアノ協奏曲イ短調』 シン・ウルトラマン便乗短期連載
ウルトラセブン最終話
『史上最大の侵略』後編
〜後半 決戦と別れ〜
ダンが人間であろうと宇宙人であろうと構わないと受け入れるアンヌ。
ですが、「西の空に、明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ」と別れを告げ、変身し、飛び立つウルトラセブン。
死力を振り絞って、アマギ隊員を目指して空を飛び、基地へ突入するウルトラセブン。緊迫のシーンで流れる『ピアノ協奏曲』は、美しく、どこか悲壮感があります。
ウルトラセブンがアマギ隊員を救出した直後、爆弾を満載したウルトラ警備隊の地底戦車がゴース星人の基地に突入し大爆発。これ以上の地底ミサイル攻撃を阻止しました。
地底戦車マグマライザー。囚われたセブンの救出など印象的な活躍をするメカで、それが自爆攻撃というのも切ない。
ゴース星人は最後の抵抗に、前編の時から機械化強化をほどこした改造パンドンを再び差し向けました。アマギ隊員を安全な場所に解放したセブンは、最後の戦いに臨みます。
動きに精彩はなく、いいように殴り倒されるセブンの姿の背景に引き続き流れる『ピアノ協奏曲』は、流麗に、しかし儚く、まるで弱ったセブンの命を思わせるように鳴り続けます
アンヌ隊員は警備隊の皆にダンがウルトラセブンであることを明かしました。ダンの脱走の真意、隠していた活躍と負担の数々、これまで人類へ向けてきた慈愛を知って、ウルトラ警備隊は戦闘機で決死の援護に出ます。
先ほどダンを罵った上官も、先の言葉を詫びながら、死地へ赴いて戦います。
戦闘機の援護で体勢を立て直したウルトラセブンは必殺武器アイスラッガーで攻撃しますが、パンドンはそれをキャッチして奪います。数々の怪獣を打ち破った必殺武器が、逆にセブンを切り裂こうと迫る……
その瞬間、ウルトラ警備隊の戦闘機が再度痛烈にパンドンを攻撃し、アイスラッガーは手放されました。
すかさずセブンはアイスラッガーを念力で奪い返し、パンドンを撃破。ゴース星人の侵略計画はここに終止符を打たれます。
戦いが終わって、セブンは明け方の空に飛び立ち、地球を去りました。
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