• HOME
  • 公演プレビュー
  • プレビュー:新国立劇場オペラ「椿姫」4月2日〜4月12日 新国立劇場オペラパレス

プレビュー:新国立劇場オペラ「椿姫」4月2日〜4月12日 新国立劇場オペラパレス

華やか社交界に生まれた美しく悲しい純愛

わかりやすいストーリーで引き込まれる

19世紀半ばのパリの社交界を舞台にした恋の物語。

高級娼婦のヴィオレッタの邸宅で夜毎開かれるパーティ。ヴィオレッタはそこで青年アルフレードと出会い恋に落ち、郊外の別宅に移って二人で暮らし始めます。アルフレードの留守の時に父親のジェルモンが訪ねてきて、息子をたぶらかさずに別れてほしいと頼みます。でも、ジェルモンは二人が本当に愛し合っていることに気づきます。結核を病んでいるヴィオレッタはアルフレードの将来を考え身を引きます。若いアルフレードはそういう経緯を知らずにヴィオレッタに遊ばれたと思い、大勢の前で恥をかかせ、外国へ行ってしまうのでした。病が進み、財産も底をつき、ヴィオレッタはひっそりと暮らしています。真相を知ったアルフレードがやってきますが、ヴィオレッタはやさしい女性と結婚して自分のことを話してほしいと言って息絶えるのでした。

鑑賞回数が多くてもいろいろな視点で楽しめる

オペラのストーリーはヴィオレッタの視点で描かれます。原作はアルフレードの視点で書かれています。高嶺の花であるヴィオレッタが自分のことを好きになってくれた→蜜月期間→突然の豹変→結局遊ばれただけ→許せない、とアルフレードの立場で舞台を見ると、ふとしたヴィオレッタの仕草、眼差しからいろいろな思いがあふれ出ていることに気づくかもしれません。また父親ジェルモンの立場で見るのもおもしろいです。家名を傷つけられないように、家を守らねばという使命感を持っており、若さゆえの暴走する恋を突き進む息子が同等に付き合える相手ではないとヴィオレッタのことを思っています。彼女と対面して話してみると、真剣であること、手練手管で息子を誘惑しているわけではないとを理解します。

誰も悪くないのに許されない恋。当時の高級娼婦とはどういう職業だったのか、パリの社交界がどれほど洗練され垢抜けた場所だったのか、など時代背景も意識すると一層深く鑑賞できることでしょう。

美しいヴィオレッタに魅了される

新国立劇場初登場となる美しいソプラノ、カロリーナ・ロペス・モレノがヴィオレッタを演じます。スター街道爆進中のモレノ、今の彼女の歌唱を経験できるのは貴重です。アルフレードも初登場、ヴェルディ作品を得意とするアントニオ・コリアーノです。そして、ジェルモンにはロベルト・フロンターリが登場します。新国立劇場での『リゴレット』『シモン・ボッカネグラ』で素晴らしいタイトルロールをそれぞれ披露し、感動を巻き起こしました。フロンターリのジェルモンとモレノのヴィオレッタとのやりとりは、深みのある説得力に満ちたものとなることでしょう。なお、指揮のレオ・フセインも初登場となります。どんな舞台が繰り広げられるか、楽しみですね。

画像 新国立劇場「椿姫」より 撮影:堀田力丸


新国立劇場オペラ『椿姫』
4月2日(木) 18:00
4月4日(土) 14:00 託児サービスあり
4月6日(月) 14:00
4月10日(金) 14:00
4月12日(日) 13:00 
会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:29,700〜1,650円
詳しくは:新国立劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。