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プレビュー:新国立劇場オペラ『さまよえるオランダ人』1月19日(日)〜2月1日 (土)

ワーグナー初期の大作
初めてのワーグナー体験に最適

新国立劇場「さまよえるオランダ人」より 撮影:三枝近志

魅力的なプロダクション

新年最初のオペラはワーグナーが28歳の時に作曲した『さまよえるオランダ人』です。神を罵った罪で永遠に海をさまよい続ける幽霊船の伝説を扱ったドイツの詩人ハインリヒ・ハイネの『フォン・シュナーべレヴォプスキー氏の回想記』をもとに、ワーグナーが物語を再構成して台本を作成、作曲をしました。

わかりやすくてテンポよく進む
あらすじ

新国立劇場「さまよえるオランダ人」より 撮影:三枝近志

舞台はノルウェーの港。神を罵ったために死ぬことを許されず、幽霊船で航海し続けているオランダ人船長がいます。彼は乙女の愛によってしか呪いが解けることはなく、死ぬこともできず、永遠に海をさまよわなければならない運命です。彼は、7年に一度だけ陸に上がることができます。ノルウェーの港にオランダ人の幽霊船が現れ、商船をもつ裕福な商人ダーラントと出会います。ダーラントはオランダ人から財宝を受け取り、娘のゼンタに会わせることを約束します。ゼンタは自分こそこのオランダ人の救世主だと感じます。しかしゼンタを愛するエリックはゼンタが心変わりしたと責めます。その様子を見てしまったオランダ人は今回もだめだったと絶望し出航することに。その時、ゼンタは彼を追って海に身を投げ永遠の愛を証明します。救われたオランダ人とゼンタの魂は浄化され昇天します。

この「女性の愛と自己犠牲」「愛による救済」はのちにワーグナーの作品のテーマとなります。

見どころはエフゲニー・ニキティン演ずるオランダ人

新国立劇場「さまよえるオランダ人」より 撮影:三枝近志

オランダ人役の第一人者であるエフゲニー・ニキティンは2012年の新国立劇場『さまよえるオランダ人』に出演し、大変な評判となりました。今回、13年ぶりに再び新国立劇場の舞台に立ちます。彼のダークで場を支配する圧倒的な存在感は目が離せません。

新国立劇場初登場なのは、ゼンタ役のエリザベート・ストリッド、エリック役のジョナサン・ストートン、そして指揮のマルク・アルブレヒトも初登場です。

またマリー役に金子美香、ダーラントにはドイツを拠点に活躍している松位浩が出演します。

マティアス・フォン・シュテークマンの演出はわかりやすくてドラマティック。ダークでヘビーな少し怖い舞台はゾクゾクします。特に幽霊船が登場するスペクタクル・シーンに注目です。

旬のキャストが揃った魅力的な舞台に期待しましょう。


新国立劇場オペラ『さまよえるオランダ人』

2025年1月19日(日) 14:00
   1月 22日(水) 18:30
   1月 25日(土) 14:00
   1月29日(水) 14:00
    2月1日(土) 14:00

会場:新国立劇場オペラパレス

チケット料金:26,400円~1,650円

詳しくは:新国立劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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