プレビュー:新国立劇場オペラ『リゴレット』2月18日(水)〜3/1日(日) 新国立劇場オペラパレス

待望の再演、名テノール、ストヤノフがリゴレットを歌う
2022/2023シーズンに新制作されたエミリオ・サージ演出のヴェルディ作曲『リゴレット』。この時リゴレットを歌ったロベルト・フロンターリがそれは素晴らしく、大絶賛されました。このプロダクションが2026年2月に再演されます。
ヴェルディの傑作と言われるのも納得の奥深い作品

体が不自由なため、道化師としてマントヴァ公に仕えているリゴレット。君主のマントヴァ公は享楽主義者で遊び人。そのマントヴァ公にリゴレットは大事な一人娘ジルダを陵辱されてしまいます。公爵への復讐を誓うものの、なんと公爵に恋したジルダは身代わりとなり殺し屋に身を差し出してしまうのでした。
宮廷は陰謀と欺瞞が渦巻き、笑い者として馬鹿にされ蔑まれていたリゴレット。唯一の希望、宝だった娘を失ってしまう、という本当に救いのない辛いストーリーなのですが、これに反し音楽はとてつもなく美しいのです。アリア「女心の歌」「慕わしき人の名は」「悪魔め、鬼め!」、そして第3幕の四重唱「美しい恋の乙女よ」はみな有名で人気が高いことで知られています。
稀代のテノール、ストヤノフが9年ぶりに登場

複雑で難しい役どころであるリゴレットを、今回はウラディーミル・ストヤノフが演じます。世界最高峰のベルカント・テノールとして大活躍のストヤノフは2017年『オテロ』のイアーゴ役以来の新国立劇場オペラ出演ということで、大変な話題になっています。
マントヴァ公には2025年2月の『セビリアの理髪師』のアルマヴィーヴァ伯爵を歌って絶賛されたローレンス・ブラウンリーが登場します。そしてジルダは中村恵理が歌います。中村は新国立劇場では多くの役を歌っており、2021年には『蝶々夫人』でついにタイトルロールを、続く22年、24年と『椿姫』のヴィオレッタを歌い、スター街道爆進中です。
指揮は01年『ドン・カルロ』、08年『リゴレット』、21年『トスカ』で登場したイタリア・オペラの達人、ダニエレ・ガッレガーリが務めます。
サージの演出は、ことさら誇張しているのではないのですが、リゴレットの孤独、復讐心、欲望といったさまざまな感情に寄り添っており、どんどん物語に引き込まれていきます。どうしようもない社会的格差、救いのない生活の中にあるかすかな希望など、現代に生きる私たちにも共感できる部分がたくさんあります。
いろいろなことを思い、感情が揺さぶられる名作『リゴレット』。ぜひ劇場で体験してください。
新国立劇場オペラ『リゴレット』
公演情報
2月18日(水) 18:00
2月21日(土)14:00 託児サービスあり
2月23日(月・祝)14:00
2月26日(木)14:00
3月1日(日)14:00
会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:29,700〜1,650円
詳しくは:新国立劇場










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