プレビュー:木村優一クリスマス・コンサート2024 12月15日(日)TOKYO FMホール
2部構成でガラリと趣を変える
多彩なソプラニスタのクリスマス・コンサート
ソプラニスタの木村優一がクリスマス・コンサートを開きます。
2部構成でクリスマスに相応しい曲目が用意されているものの、実は声楽家として、そしてガラリと雰囲気を変えエンタテイナーとして、両方の彼を楽しむことができる凝った内容になっています。
第1部はクラシックの名曲で
「アヴェ・マリア」とは聖母マリアへの祈祷文のことで、この祈祷文にどの時代にもたくさんの作曲家が曲をつけました。その中でも俗に三大『アヴェ・マリア』として人気の高い、シューベルト、カッチーニ、バッハ=グノーの『アヴェ・マリア』のうち、カッチーニとバッハ=グノーの曲がこのコンサートでは歌われます。カッチーニはルネサンス末期からバロック初期にかけて活動した実在の作曲家ですが、このカッチーニ作とされている『アヴェ・マリア』は、実は20世紀の作曲家ウラディミール・ヴァヴィロフという人が作ったものです。そんなお話も聞けるかもしれません。
そしてなんといっても第1部のハイライトは、ヘンデルの『メサイア』より「シオンの娘よ、大いに喜べ Rejoice,greatly o daughter of Zion」、通称「リジョイス」です。ヘンデルの『メサイア』はオラトリオというジャンルの曲です。聖書から歌詞をとり、独唱、合唱、管弦楽からなるローマ・カトリック教会の宗教曲です。オペラと異なるのは、演技を伴わないこと、題材が聖書に基づくことです。さまざまな声種の独唱、重唱、合唱が楽しめるのですが、「リジョイス」は「神を信じて喜び賛美しよう」という内容で、美しいソプラノの超絶技巧で歌われます。
第2部はポップスで華やかに
休憩を挟んで第2部はガラリと雰囲気を変え、楽しいクリスマス・ソングが並びます。『赤鼻のトナカイ』といったクリスマスの定番曲から松任谷由実の『恋人がサンタクロース』といったクリスマスに欠かせない楽しいポップスまで、どの世代でも楽しめる曲が用意されています。
思わず一緒に口ずさみたくなるような曲ばかりで、クリスマス気分が高まります。
声楽家として、エンタテイナーとして、クラシック一筋のソプラニスタとは異なる幅の広さが魅力の木村優一。「クリスマス・コンサート」と銘打っていますが、実はさらに進化した彼の魅力を存分に楽しめそうです。
木村優一 クリスマス・コンサート2024
会場: TOKYO FMホール
開演
2024年12月15日(日)15:00
チケット料金:6,000円
詳しくは:キャピタルビレッジ
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