• HOME
  • 公演プレビュー
  • プレビュー: 新国立劇場オペラ「こうもり」1月22日(木)〜29日(木) 新国立劇場オペラパレス

プレビュー: 新国立劇場オペラ「こうもり」1月22日(木)〜29日(木) 新国立劇場オペラパレス

年初は思いきり軽やか、華やかに浮かれたい

オペレッタの最高傑作、初めての鑑賞でも大満足

オペレッタは基本、喜劇です。運命に翻弄される自らの意思で生きることのできない人、陰謀渦巻く人間関係で苦悩する人は出てこないし、スペクタクル性もないし深刻さもありません。実は風刺が効いていたり、深読みができるキャラクターが登場したりするなど一筋縄ではいかないのですが、それでもあくまで軽やかに楽しく華やかに! それがオペレッタ。年末年始にぴったりなのです。

あらすじを知らなくても楽しめるけれど
知っていればなお楽しい

仮面をつけ正体を隠した夜会でのドタバタがこの作品の見どころです。お金持ちの銀行家アイゼンシュタインは、友人ファルケ博士に誘われ、オルロフスキー公爵の夜会に出かけます。実はそこには変装した妻ロザリンデや、小間使いのアデーレも来ていて、みんな正体を隠して浮かれ騒いでいます。アイゼンシュタインは侮辱罪で8日間の服役を命じられることになってしまうのですが、翌朝刑務所で全員の正体が明らかになり、怒りと笑いのうちに「人生はすべて冗談(こうもりの仕返し)だ」と和解します。最後は「すべてはシャンパンのせい」にして大団円で幕を閉じます。

実力派が揃った歌手陣

まず指揮はダルムシュタット州立劇場音楽総監督のダニエル・コーエンが務めます。新国立劇場初登場です。

銀行家アイゼンシュタインは、ベルリン・ドイツ・オペラなどで活躍するテノールのトーマス・ ブロンデル。妻ロザリンデにはサビーナ・ツヴィラク、彼女はかつて『タンホイザー』のエリーザベト役で新国立劇場に出演しています。ファルケ博士は各地で同役を歌い成功を収めているラフェル・フィンガーロス。アデーレにはマリア・シャブーニア、フランクはレヴェント・バキルジ、看守フロッシュにはホルスト・ラムネクが前回に続き出演します。そして夜会を開くロシアの貴族、オルロフスキー公爵は藤木大地が務めます。

新国立劇場の『こうもり』は名テノールのハインツ・ツェドニクの演出版です。ユーゲントシュティール風の美術・衣裳も秀逸、ポルカやワルツが流れる中、19世紀末の独特のウィーンの雰囲気が舞台上に現れます。

新国立劇場『こうもり』2023年公演より 撮影:鹿摩隆司


新国立劇場オペラ「こうもり」
公演情報
1月22日(木)18:00
1月24日(土)14:00 託児サービスあり
1月25日(日)14:00
1月27日(火)14:00
1月29日(木)14:00

会場:新国立劇場オペラパレス
チケット料金:29,700〜1,650円
詳しくは:新国立劇場

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。