プレビュー:2月17日(金)公開!映画、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/2023『ダイヤモンド・セレブレーション』 TOHOシネマズ日本橋、ほか
2023年2月17日(金)~23日(木)
英国ロイヤル・オペラ・ハウス
シネマシーズン2022/23
『ダイヤモンド・セレブレーション』
全9作品、豪華なガラ公演
英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23、今回はバレエのガラ公演『ダイヤモンド・セレブレーション』が上映されます。
英国ロイヤル・オペラ・ハウスのファン組織である「フレンズ・オブ・コヴェント・ガーデン」の60周年を祝うガラで、長年の支援に感謝する気持ちをこめた非常にクオリティの高いパフォーマンスばかりです。
第1部はカンパニーのレパートリーから
現在、英国ロイヤル・バレエ団にはプリンシパルが20名在籍しており、まさにドリーム・カンパニーなので、9作品もの上演をしてもきらぼしのごとくスターが次々に登場してきます。
アレクサンダー・キャンベルとアナ=ローズ・オサリヴァン|英国ロイヤル・バレエ団『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』
高田茜とカルヴィン・リチャードソン|英国ロイヤル・バレエ団『マノン』
メリッサ・ハミルトンとルーカス・ビヨンボー・ブレンツロド|英国ロイヤル・バレエ団『クオリア』
第1部は豊富なレパートリーから4作品を上演。アシュトン振付の『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』でスタート。アナ=ローズ・オサリヴァンとアレクサンダー・キャンベルが緊張のオープニングをきっちりと踊ります。
続く『マノン』の寝室のパ・ド・ドゥでは高田茜とカルヴィン・リチャードソンが登場します。丁寧に大切に踊る高田のマノンは、心に沁みます。
常任振付家のウェイン・マクレガーの作品『クオリア』も魅力的。コンテンポラリー作品を得意とするメリッサ・ハミルトンと、ルーカス・ビヨンボー・ブレンツロドがキレがよくかっこいいダンスを見せてくれます。
マシュー・ボール , ジェームズ・ヘイ , ワディム・ムンタギロフ , マルセリーノ・サンべ|英国ロイヤル・バレエ団『FOR FOUR』
そしてカンパニー初演の『FOR FOUR』。これはカンパニーの枠を超えて、当時世界のトップ・スターだった男性4人のダンサーが集まった、2006年「Kings of the Dance」公演で初演されたもので、英国ロイヤル・バレエ団のアーティスティック・アソシエイトであるクリストファー・ウィールドンが振り付けた作品です。
男性4人が対等に次々と途切れることなく超絶技巧を織り込みながら踊り続けます。マシュー・ボール、ジェームズ・ヘイ、ワディム・ムンタギロフ、マルセリーノ・サンべといういきのいい4名が軽々と踊るさまは、一時も目が離せません。
世界中のトップバレエ・カンパニーがクラスやリハーサル風景をライブ配信する「ワールド・バレエ・デー」で、昨年、英国ロイヤル・バレエ団ではこの作品のリハーサルを配信していました。今回、本番を見ることができるのは嬉しい限りです。
世界初演作品を4作続けて
休憩を挟んで第2部は4作品、すべて世界初演という強気のラインナップです。
ジョセフ・シセンズ|英国ロイヤル・バレエ団『SEE US!』
ウィリアム・ブレイスウェルとアナ=ローズ・オサリバン|英国ロイヤル・バレエ団『ディスパッチ・デュエット』
スティーヴン・マックレーとナタリア・オシポワ|英国ロイヤル・バレエ団『コンチェルト・プール・ドゥ─ふたりの天使』
金子扶生|英国ロイヤル・バレエ団『プリマ』
『SEE US!』は若手が登場します。ファースト・アーティストのミカ・ブラッドベリが光っています。この作品を振り付けた振付家も若手、英国ロイヤル・バレエが育成する新進振付家のジョセフ・トゥーンガによるものです。
『ディスパッチ・デュエット』はアナ=ローズ・オサリバンとウィリアム・ブレイスウェルの二人が踊ります。モダンでウィットがありながらバレエのテクニックを駆使した英国ロイヤル・バレエにふさわしい作品です。
『コンチェルト・プール・ドゥ─ふたりの天使』ではナタリア・オシポワとスティーヴン・マックレーが登場。大変な存在感で、この二人はもうすっかり成熟したベテランであることを感じさせ、大人の男女のストーリーを紡ぎます。短い作品ながら余韻を残す印象深い作品です。
第2部最後は『プリマ』。これは女性4名によって踊られます。フランチェスカ・ヘイワード、金子扶生、マヤラ・マグリ、ヤスミン・ナグディが登場。ファッション・デザイナーのロクサンダ・イリンチックによる衣裳が素晴らしいです。特に、金子のロング丈の衣裳は動くたびに大きくゆらめき、金子を一層美しく見せています。
圧巻の第3部
マリアネラ・ヌニェス , リース・クラーク|英国ロイヤル・バレエ団『ジュエルズ』より「ダイヤモンド」
最後の第3部ではジョージ・バランシン振付の『ジュエルズ』から「ダイヤモンド」が踊られます。ソリストには、マリアネラ・ヌニェス、リース・クラークが選ばれました。トリを飾るにふさわしい堂々たるヌニェスとフレッシュなクラークのコンビは隙のない完璧なバレエを披露してくれます。
古典作品をひとつも入れずに、レパートリー作品とカンパニー初演作品、世界初演4作品という攻めた構成で行われたガラ公演。このカンパニーが今とても充実していることを見せつけられました。
カンパニーにとってとっておきのガラ公演を、日本にいながら鑑賞できることは大変な幸せです。全幕作品ではなかなか知ることのできない、多くのダンサーの個性や魅力が楽しめます。洗練された世界のトップ・カンパニーの実力をぜひ経験してください。
画像©2022 ROH. Photographed by Andrej Uspenski
2023年2月17日(金)~23日(木)
英国ロイヤル・オペラ・ハウス
シネマシーズン2022/23
『ダイヤモンド・セレブレーション』
会場:TOHOシネマズ日本橋、ほか
上映時間:劇場による
★ チケット料金
一般・シニア|3,700円
学生・小人|2,500円
詳しくは:東宝東和/英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン
この記事へのコメントはありません。