モーリス・ベジャール・バレエ団20249月21日(土)〜9月29日(日) 東京文化会館
『バレエ・フォー・ライフ』と
『ボレロ』含む4作品の2プログラム
クイーンファン必見
『バレエ・フォー・ライフ』
3年ぶり19度目の来日公演となるモーリス・ベジャール・バレエ団2024。今回2プログラム用意されています。
Aプログラムで上演される『バレエ・フォー・ライフ』が世界初演されたのは1997年のこと。クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーは1991年11月に、そしてベジャール作品に欠かせないベジャール率いる20世紀バレエ団のカリスマダンサー、ジョルジュ・ドン(彼は1981年のクロード・ルルーシュ監督『愛と悲しみのボレロ』に出演し広く知られた)は1992年11月に、二人とも45歳という若さで同じ病に冒され亡くなっています。この二人のオマージュとして、ベジャールはクイーンの曲を使用し傑作を生み出しました。
『バレエ・フォー・ライフ』では、モーツァルトの音楽を挟みつつ17曲ものクイーンの曲(断片的に使用している曲も含めると20曲)を使用しています。
フレディと思しき人物も登場し、ジャンニ・ヴェルサーチの衣裳に身を包んだダンサーたちが魅了します。けれども後半になると夭逝してしまった芸術家を悼み、荘厳な雰囲気の中、深い悲しみがひたひたと胸に迫ってくるのです。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』が2018年に公開され、アカデミー賞を4部門も受賞しクイーン、そしてフレディ・マーキュリーのことは永遠に人々の胸に刻まれました。アダム・ランバートを迎え、3人のクイーンとしての来日公演も、映画公開後2回実現しました。
この『バレエ・フォー・ライフ』もまた、映画以上にフレディ・マーキュリーと、そしてジョルジュ・ドンのことを決して忘れない傑作として後世に伝えられていく作品です。
映画公開以後、モーリス・ベジャール・バレエ団は2021年に来日しこの作品を上演したので、新たなファンが増えたことでしょう。
『バレエ・フォー・ライフ』においても「フレディ・マーキュリー」が生き生きとライブで存在していることを実感でき、深く感動します。
クイーンファンにはお馴染みのバレエ作品『バレエ・フォー・ライフ』ですが、若いクイーンファンの中にはこの作品を経験したことのない人も多いはずです。ぜひこの機会に鑑賞してください。
新芸術監督になって初の来日
カンパニーの未来を感じるBプログラム
前芸術監督、ジル・ロマンが振り付けた『だから踊ろう…!』はコロナ禍の状況で活動を制限されていたダンサーたちの「踊る喜び」を表現した作品です。この作品は2021年に亡くなった元パリ・オペラ座バレエ団の大スター、パトリック・デュポンに捧げられています。ロマンはベジャールのそばにいて、ジョルジュ・ドンと共にベジャール作品を踊り、ドンとベジャールを見送ったのち、芸術監督として奮闘していました。パリ・オペラ座バレエ団の芸術監督も務めたことのある同時代のダンサー、デュポンへのロマンの思いを感じながら鑑賞したいです。
そしてベジャール3作品が上演されます。
『マルロー、あるいは神々の変貌』からの抜粋『2人のためのアダージオ』(ベートーヴェンのピアノ・ソナタを使用)、男女二人による大人な雰囲気の洒落たダンスが楽しめます。
『コンセルト・アン・レ』はストラヴィンスキーの唯一ヴァイオリン協奏曲である『ヴァイオリン協奏曲ニ調』を使用し一組のペア、男性ソリスト、女性群舞が登場します。
そして本家『ボレロ』。『ボレロ』は、中心で踊るメロディは最初、女性のために振り付けられました。男性で初めてメロディを踊ったのはジョルジュ・ドンです。今回Bプログラムは4公演あるのですが、ジュリアン・ファヴロー、大橋真里、エリザベット・ロス、キャサリン・ティエルヘムが日替わりで踊ります。芸術監督であるファヴローは日本でも大変な人気なので彼の『ボレロ』は注目です。
Aプログラムのクイーンの楽曲はもちろん、Bプログラム4作品で使用されている音楽もとても素晴らしく、ベジャールの音楽に対する抜群のセンスに感嘆することでしょう。
Aプログラム
9月21日(土)13:30
22日(日)13:30/18:00
23日(月・祝)13:30
Bプログラム
9月27日(金)19:00
28日(土)13:30
28日(土)18:00
29日(日)13:30
会場: 東京文化会館
チケット料金:6,000〜23,000円 、SP21,000円(1階LRブロックの端寄りで見切れあり)
詳しくは:NBS
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