公開リハーサルリポート:東京バレエ団「かぐや姫」再演


東京バレエ団による全幕バレエ『かぐや姫』の再演に向けた公開リハーサルと囲み取材が、3月5日、東京バレエ団スタジオで行われた。公演は5月5日・6日に東京文化会館大ホールで上演される予定だ。
日本人なら誰もが知る「かぐや姫」が題材
演出・振付を手がけるのは金森穣。日本最古の物語文学『竹取物語』を原作に、クロード・ドビュッシーの音楽を用いて東京バレエ団のために創作された全3幕のグランド・バレエが『かぐや姫』である。
本作は段階的に上演されてきた。2021年に第1幕、2023年4月に第2幕、同年10月に第3幕が加わり、時間をかけて丁寧に完成へと近づいてきた作品だ。
今回の公演は、待望の全幕再演であると同時に、東京バレエ団のホームグラウンドともいえる東京文化会館が改修工事による休館に入る直前の上演となる。

秋山瑛(かぐや姫)と大塚卓(道児)がパ・ド・ドゥを披露
公開リハーサルでは、第1幕と第2幕のパ・ド・ドゥが披露された。
第1幕は、かぐや姫がまだ宮廷に上がる前の場面。ドビュッシーの『月の光』にのせて、かぐや姫と道児が踊る。天真爛漫なかぐや姫と、純朴な道児。二人が戯れるように踊る、瑞々しく純粋なパ・ド・ドゥだ。


続く第2幕は、都で帝の側室となったかぐや姫と道児が月明かりの下で再会するシーン。ここではかぐや姫はポワントを履き、動きもより精緻で、どこか大人びた緊張感が漂う。第1幕とは異なる関係性が浮かび上がる
金森からは細かな動きについて丁寧な指示が出されていたが、その調整を経て踊られる二人のパ・ド・ドゥは、いっそう美しく印象的なものとなっていた。

ブラッシュアップを重ね、進化し続ける作品
囲み取材には金森と、東京バレエ団団長の斎藤友佳理が出席した。
斎藤は、本作を将来的に海外で上演したいという展望を語った。東京バレエ団はこれまでも多くの海外公演を行ってきたが、『かぐや姫』は、日本的な美意識を備えたオリジナル作品として海外に紹介することも視野に入れて創作された作品だという。

金森は「物語のあるグランド・バレエの醍醐味は、それぞれのダンサーの個性が生きること。だから、さまざまな帝や道児がいていい」と語る。
さらに『白鳥の湖』のように白と黒という二面性を例に挙げながら、『かぐや姫』でも人物の対比が重要な要素になっていると説明した。かぐや姫と影姫、帝と道児は、ある意味で対極にある存在だという。
「宮中に生まれれば帝に、村で生まれれば道児になる。大塚は、前回は帝役だったが、表現者として両方を演じられると感じた」
そう語り、大塚への期待をにじませた。また、今回初めて役を踊るダンサーもおり、作品全体がさらにブラッシュアップされていることにも自信を見せた。
創作者である金森の直接指導を受けながら、作品は初演時からさらに磨かれ続けている。
『かぐや姫』は、こうして進化を重ねながら、美しい物語を紡いでいく。
写真:Shoko Matsuhashi
公演情報
5月5日(火・祝)13:00/18:30
5月6日(水・休)14:00
会場:東京文化会館 大ホール
チケット料金:16,000〜4,000円
詳しくは:東京バレエ団










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