初心者向け〜オペラ基本用語集〜

特殊なパート

ボーイソプラノ

女声パートと同じ高さで歌う声変わり前の男の子。

カウンターテナー

女声パートの高さを歌う男声。通常は裏声などを駆使していますが、稀に素の声が高い人もいます。男性の強い肺活量を併せ持つため、女声ソプラノとも違った声を出せます。『もののけ姫』を歌った米良美一などが有名です。

ソプラニスタ

カウンターテナーの中でも特にソプラノパートを歌える、非常に高い声を持つ男声。木村優一や岡本知高が有名です。

カストラート

16~19世紀に存在した、去勢手術によって声変わりを止めて、高い声を維持した男声。現在は人道的に問題があるため存在しませんが、当時作られたオペラのパート分けに残っていることがあり、女声やボーイソプラノ、カウンターテナーを代わりに配役します。

その他関連用語

ベルカント

「ベルカント・ソプラノ」のように使われることがあります。イタリア語で「美しい歌」の意味で、途切れず柔らかく滑らかな歌声、またはそんな歌声を出せるイタリア流の歌唱法のこと。少々曖昧な言葉なので、宣伝などに使われている場合は「歌がすごく上手」という意味と思えばいいでしょう。

ダブルキャスト

同じ役をやる歌手・俳優が2人いて、公演によって入れ替わりで出演すること。
オペラでは上演の間、出演者たちは長時間舞台上で声を張り上げて歌い、演技するので、体力も精神力も使います。そのため、複数回の公演を行うために交代制にして負担を軽減しています。

また、突然の体調不良や事故などがあった際、もう片方の歌手が代役を行えるという保険にもなります。
観客目線では、同じ舞台でも歌手による雰囲気の違いを楽しめ、推しの歌手が出る舞台が増えやすくなったりもします。

3人以上の場合はトリプルキャストやクアドラプルキャストなどになります。オペラでそうなることは珍しいですが、ロングラン公演のミュージカルなどで見られます。

オペラ基本用語
主要な裏方について

美術

舞台美術、つまり劇の大道具や小道具、舞台装置や衣装などをデザインする人です。(衣装は別途専門家がつく事も多いです)
建築デザインのような大掛かりな舞台装置から、剣などの手に持てる小道具までを造形する幅広い美的センスだけでなく、安全性、音響や照明との兼ね合いなどについても知識が必要な専門職です。
大掛かりな舞台の仕掛けには、歌唱や演技とはまた違った感心や感動を覚えることもあります。

照明

舞台照明、およびその担当者です。照明によって観客の視線を誘導し、あるいは何かを暗くして隠し、光の色や当て方で場面の雰囲気さえも左右するため、裏方の中でも責任重大です。近年ではプロジェクションマッピングや、ロックやEDMのライブで使われているようなレーザー演出を組み合わせている例もあります。

ロックにおけるレーザー演出の例。

指揮・演奏

音楽の生演奏をする指揮者と演奏する楽団のことです。
オペラやミュージカルでは舞台と客席との間にオーケストラピットという穴のように窪んだスペースがあり、オーケストラは客席から見えないようその中で演奏を行います。

オーケストラコンサートと違って演奏家たちは裏方に徹し、終演後の挨拶などを除いて観客の前には姿を現しません。

オペラハーツの編集とライターを兼任。 小中でピアノ教室に通い、中高では吹奏楽部で打楽器を担当した程度の演奏経験。 クラシック以外にロック、EDM、ボカロ、ゲーム音楽なども好んで聴く。

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