ハンス・クリスチャン・アンデルセン『絵のない絵本』×メンデルスゾーン『無言歌』小説を彩るクラシック#18
『絵のない絵本』
『絵のない絵本』はアンデルセンが34歳のときに書いた作品です。アンデルセンは、メンデルスゾーン、シューマン夫妻、リスト等の音楽家とも親交があり、メンデルスゾーンの『無言歌』からインスピレーションを受けて執筆されました。
ドヴォルザークに師事したチェコの作曲家、ヴィーチェススラフ・ノヴァークが、この物語の第28夜をもとに交響詩『永久なる憧れ(永遠へのあこがれ)』Op.33 を作曲するなど、後の音楽家に影響を与えている作品でもあります。
ストーリー
主人公は貧しい画家。都会の屋根裏部屋で孤独に暮らす画家に、ある晩、月が話しかけます。
「僕のお話を絵にしてみたら」
画家は月が語る物語を絵にまとめ上げていきます。それは、月だけが覗くことのできる神秘の世界。ある晩はガンジス河で祈る少女について、ある晩はパリの七月革命で息絶える勇敢な少年について、ある晩はイタリア、ポンペイの光景、美しい森で祈りを捧げる貧しい少女……全33夜にわたって、月は画家に語りかけます。
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