ニュース:横浜みなとみらいホール、リニューアルオープン記者会見(2022年7月12日)
横浜みなとみらいホール記者会見(2022年7月12日)
横浜みなとみらいホールは改修工事のため休館していたが、今秋、10月21日にリニューアルオープンする。記者会見では、リニューアル記念事業と2022年度中の公演ラインナップの説明が行われた。
次世代育成、市民参加、新しい試み、そして何十年も続いている歴史あるコンサート、と多彩な公演がぎっしり予定されている。
ホールオルガニストとプロデューサーという頼もしい存在
左から藤木大地、新井鷗子(みなとみらいホール館長)、近藤岳
登壇者の中にオルガニストの近藤岳とカウンターテナーの藤木大地がいた。近藤は2022年4月からみなとみらいホールのホールオルガニストとして活動している。自身が演奏することはもちろん、次世代を担うオルガニストの育成、市民にオルガンを身近に親しんでもらえる音楽文化の普及に取り組んでいくとのこと。
藤木は、2021年に始まった“プロデューサー in レジデンス”という制度の初代プロデューサー。藤木自身が企画し、全国の劇場や主催者と共働で公演や事業の実施、また教育機関とのタイアップによるクラシック業界の職業人の育成を行う。
近藤と藤木の明快で小気味よい語り口から、これまでになかったクラシック業界で働く人材の育成、セルフ・プロデュース力の向上、すぐれた企画をアーティスト自らが考える、といった「新しい取り組み」に対するポジティブな姿勢を感じた。新しいコンサートのあり方、価値観などが横浜みなとみらいホールから発信されていくことになるのだろう。
多彩でたくさんのリニューアル事業
リニューアル後こけら落とし公演ポスター
リニューアル事業の最初には、沼尻竜典指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートがある。三善晃の管弦楽のための交響詩『連祷富士』とR.シュトラウスの『アルプス交響曲』を演奏。
「共生社会」を目指す取り組みとして『ミュージック・イン・ザ・ダーク』を開催。これは視覚に障害のある演奏家を含むアンサンブルが暗いホールで演奏し観客も視覚に頼らない音楽体験をするというもの。ヴィヴァルディの『四季』で4人のヴァイオリニストが順番にソロを演奏するという、コンサートそのものもとてもユニークだ。
大晦日には石田泰尚率いる石田組が年末感謝祭として登場する。
そしてこの日が情報解禁ということで、マルタ・アルゲリッチと海老彰子のデュオ・リサイタルが発表された。これは『横浜市招待国際ピアノ演奏会』が40回を迎えることの記念特別公演とのこと。『横浜市招待国際ピアノ演奏会』は若い才能あるピアニストを紹介するシリーズで、この演奏会で新たな才能との出会いを経験した人は多い。知る人ぞ知る人気シリーズだ。今年も第40回が開催され、小林愛実などが出演する。
新し物好きの横浜から続々新しいことを発信
みなとみらいホールは閉館中も音楽の発信を絶やさない、というコンセプトで、さまざまな試みを実践してきたという。
たとえば、コロナ禍で仕事の機会が激減しているアーティスト支援の一環として行われた横浜WEBステージ。これは最新技術を用いてバラエティに富んだコンテンツを制作し配信する、インターネットでの音楽フェスティバルだった。
また横浜市内の文化施設でその場所にゆかりのあるアーティストが出演する『横浜18区コンサート』も継続して行われている。
会見中、次々説明されるリニューアル記念事業の多彩さに圧倒された。これからまたみなとみらいホールは、地元の人はもちろんアクセスの良い立地ゆえ、遠方からもたくさんの人がやってきて、音楽を楽しむ場としてこれまで以上に人が集う場になることだろう。
みなとみらいホールのマスコットキャラ、みなトラくん。
リニューアル後の公演に期待の笑顔か
みなとみらいホール公式HP:https://yokohama-minatomiraihall.jp
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