プレビュー:Matthew Bourne’s ROMEO+JULIET マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」4月10日(水)~21日(日)東急シアターオーブ
2024年4月10日(水)〜21日(日)
東急シアターオーブ
Matthew Bourne’s ROMEO+JULIET
マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」
近未来のロミジュリは矯正施設が舞台
マシュー・ボーン・マジックを楽しむ
大胆な読みかえで魅了する
マシュー・ボーン率いるニュー・アドベンチャーズが来日公演を行います。マシュー・ボーンは、『白鳥の湖』で白鳥を男性に踊らせたり、『シンデレラ』では第二次世界大戦のロンドンを舞台にしたりと古典作品を大胆に設定を変え、新解釈の読みかえで高い評価を得ています。2019年に「新演出版」である『白鳥の湖』以来、5年ぶりの来日公演となります。
今回上演するのは『ロミオとジュリエット』。この作品、2020年に舞台を収録した映画として公開されました。2023年の英国ツアー、アメリカツアー、フランスツアーを経て待望の来日です。
悲しみだけでなく痛みも伝わる
若い二人の未来のない悲しい恋
原作は14世紀イタリアのヴェローナで対立する名家、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュエリエットの恋を描いています。ボーン版では舞台は近未来の教育矯正施設「ヴェローナ・インスティテュート」で、反抗的な若者を収容しています。家の対立はなく、ジュリエットは残忍な看守のティボルトに目をつけられ怯えており、ロミオは両親ともに有力な政治家の息子で、親に見捨てられて施設に入ってきます。
厳しい管理のもと、白い服を着せられた若者たちは、男女が厳然と分けられ、投薬されたり虐待を受けています。
施設が主催するダンスパーティで出会ったロミオとジュリエットは恋に落ちます。施設の仲間たちは二人をそっと応援するのですが、酒に酔った看守ティボルト銃を振りかざして威嚇し、乱闘となってマキューシオが死んでしまいます。打倒ティボルトと団結して立ち向かうものの、物語は悲しい結末へと進んでしまいます。
視覚効果が素晴らしい
ストーリーを知らなくても楽しめる
今回も舞台美術、照明がとても素晴らしく、いかにも近未来、というわけではないのですが寒々しい施設の雰囲気がよく出ています。メタリックな硬質感がある青白い舞台で踊るダンサーたちはとても美しいです。
そして、ボーン・マジックのもっとも良い点、ストーリーを知らなくても楽しめる、という特徴が発揮されています。こわいティボルトがいる施設で無理やり矯正される希望のない若者たち、そんな環境でも若い男女は恋に落ちる……。質の高い、切ないラブストーリーを楽しめます。
画像|Photo by Johan Persson
2024年4月10日(水)〜21日(日)
Matthew Bourne’s ROMEO+JULIET
マシュー・ボーンの『ロミオとジュリエット』
会場:東急シアターオーブ
開演
4月10日(水) 19:00から21日(日)12:30まで全16公演
チケット料金
平日5,500円〜15,000円、土日5,500円〜16,000円
詳しくは:ホリプロ
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