今シニアコーラスがアツい!
・コロナ禍が明けた今、コーラスを始めるシニアが急増中!?
長く続いたコロナ禍では、行動が制限されたために思うように趣味の活動ができなかった方も多いのではないでしょうか?人と接することが難しかったため、どうしても家でできるものや一人でできるものに限られたという方も多いはずです。しかし結果的にその趣味も長くは続かなかった…という声をよく聞きます。
そうしてようやく元の生活に戻ってきた今、シニアの間でコーラスを始める人が急増しているそうなのです! この話を聞きつけた編集部は、早速都内近郊で活動しているシニアコーラスについて調べてみました。そして歌うことによる健康促進や長生きの秘訣もレポート!!
・コーラスはシニアからでも始められる最高の趣味、そして長生きに!
50代を過ぎると、何か趣味を持つと良いとよく言われますが、コーラスは身体ひとつあれば始められる、実は最高の趣味なのです。ピアノ、ギターやウクレレなどなど楽器を伴うことはハードルが少し高いですよね。
・シニアコーラスで新しい交友関係を築ける
コーラスはひとりでできるものではありません。必ず一緒に歌う仲間がいます。仲間と声を合わせてひとつの曲を作り上げることで、連帯感や仲間意識が芽生え、社会性が育まれます。
とある研究で、とても興味深いものがありました。高齢者施設の入居者に、ひとり3つずつ飴を配り、それを自分で食べても他の人にあげても良いとしたところ、3つ全て自分で食べてしまった方がほとんどでした。ところが合唱をした後に、同じように飴を配ったところ、ほとんどの方がその3つの飴を他の方にあげたというのです。これは合唱を通して仲間意識が芽生えたからだとされています。歌を通じて心が通ったということですね!
・コーラス(歌う事)は身体機能の維持・向上につながる
大きな声で歌うことはストレス発散になりますし、自律神経を整えリラックスさせる効果もあります。また深い呼吸で歌うことにより、血流も良くなるのです。懐かしい歌を歌って古い記憶や感情を思い出すことは脳を刺激しますし、口を大きく開けたり、普段使わない口周りや舌の筋肉を使うことで、食べ物を喉の奥に送り込む力が強化され、誤嚥を防ぐことにもつながります。歌うことは身体にとって良いことづくめなんですね。
参考文献:『音楽と感情についての心理学的研究』山崎晃男
・コーラスを通じ生きがいを感じられる
コロナ禍もあり、外に出ない習慣がなじんでしまった方も多いはず。毎日出向いていたところがなくなり、毎日約束しなくとも会っていた人と会えなくなるといった生活を送っていくうちに、「これからの人生どうなるんだろう」と塞ぎ込んでしまう方もいるかもしれません。自分が社会やコミュニティのひとつの役割を担っているということは、とても誇らしいことです。
ここに紹介するのは世界で長生きする書籍を参考にさせてもらいます。
ブルーゾーン 世界の100歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール
この中で「健康と長寿の9つのルール」とあるように社会参加しコミュニティで暮らすことは長生きにとても関係します。歌仲間のつながりは大切ですね。
・コーラス(歌うこと)は身体機能の維持・向上につながる
大きな声で歌うことはストレス発散になりますし、自律神経を整えリラックスさせる効果もあります。また深い呼吸で歌うことにより、血流も良くなるのです。懐かしい歌を歌って古い記憶や感情を思い出すことは脳を刺激しますし、口を大きく開けたり、普段使わない口周りや舌の筋肉を使ったりすることで、食べ物を喉の奥に送り込む力が強化され、誤嚥を防ぐことにもつながります。歌うことは身体にとって良いことづくめなんですね。
参考文献:『音楽と感情についての心理学的研究』山崎晃男
・コーラスはシニア世代のウェルビーイングが高まる
中高年から始めるコーラスは、シニアライフのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上につながります。
上記の通り、コーラスに参加すると、シニアになってからでも友人ができ新しい交友関係が生まれる、身体的な健康維持につながる要素が多い、続けることで生活に楽しみが生まれ生きがいを得られてポジティブ思考になれる。シニアコーラスには思わぬ心身への良い影響が伴います。それは結果的にヘルスケアだけにとどまらないQOLの向上につながるのです。
さらに身だしなみに気を使うようになる、姿勢が良くなる、詩の素晴らしさに気づき日本語の美しさを知る、といったシニアになるとだんだんとないがしろになりつつある他者の目を気にする、学びの機会を得るといった社会的な大人としての自分もキープできます。
つまり、心身ともに満たされ社会とのつながりも感じられる多幸感のある生活をおくることができる、まさにシニア世代の方たちがウェルビーイング(well-being:自分は価値がある人間と感じられ、社会的、肉体的、精神的に良好で幸福であること)が良い状態でいられるのです。
・どんなシニアコーラスがある?東京、神奈川、千葉、埼玉で活動するコーラスを紹介します!
ここまで読んで、コーラスを始めたい意欲がぐっと湧いてきたのではないでしょうか。
歌うって楽しいですよ!歌仲間も増えて、人間関係も豊かになります。
では、いざコーラスを始めようと思ったときに、自分に合ったコーラスはどのように探したら良いでしょうか?
コーラスと一口に言っても、その活動内容は様々です。
大きく3つに分けて紹介していきましょう。
合わせて東京都内で活動しているコーラスも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
・実力向上!コンクールや演奏会出演を目的とした本格派コーラス
その活動内容から、シニアというよりは比較的年齢層が若めの方が多く所属されています。発声練習やボイストレーニングといった基礎練習から始まり、ソプラノ・アルト・テノール・バスなどのパート分けもされ、演奏技術を高めてコンクールに出場したり、定期演奏会を開催するなどを目的としたコーラスです。入団の際にオーディションを行うところも。
主に東京近郊で開催されているコンクールは以下の通りです。
・全日本合唱コンクール
・東京国際合唱コンクール 第2回グランプリコンクール
・東京都合唱コンクール
・シニアコーラスTOKYOフェスティバル
上記のコンクールで受賞実績のあるコーラスを3つご紹介します。
⚫︎お江戸コラリアーず
第60〜73回東京都合唱コンクール金賞受賞
・活動日:毎週土曜夜
・活動場所:都内各所
・入会金:なし、練習参加につき1,000円
・入団資格:男性40歳位までの方
⚫︎合唱団ひぐらし
東京都合唱コンクール銅賞及び審査員特別賞受賞
約70名在籍、そのうち4割が男性(20〜70歳代)
バロック時代の作品から、邦人作曲家による委嘱作品まで幅広く歌っている
・活動日:毎週金曜19:00〜
・活動場所:23区内(主に山手線内側が多い)
・団費:3,000円/月 演奏会費用:20,000円前後 他、楽譜代は別途
⚫︎大久保混声合唱団
2007年までに全日本合唱コンクール全国大会17回出場、12回金賞受賞(シード権利獲得5回)。第6回世界合唱シンポジウム(アメリカ・ミネアポリス)、東日本合唱祭(岩手県)、水と緑の全国音楽祭(福島県)等に招待される。
CDリリースやプロオーケストラとの共演実績も多数あり。
20代から50代の、学生時代に合唱団に所属していた団員が中心となって活動している。
入団時のオーディションはないが、入団に際してはパート分けを兼ねて数分程度のレッスンを受ける。
・活動日:毎週土曜日18:00〜21:00
・活動場所:新宿区
・入団費:2,000円(正式入団時) 月額団費:5,000円
演奏会参加費20,000~25,000円やコンクール参加費など別途徴収。
・仲間と作り上げるハーモニーを楽しむシニアコーラス
コンクール出場!とまではいかなくても、それぞれのパートに別れて、2部合唱や3部合唱といったハーモニーを楽しむコーラスです。最低限、自分のパートの楽譜が読めるスキルが求められます。
健康発声法を実践しながら抒情化、ロシア民謡、童謡、時には懐かしい流行歌など幅広く歌っている。
会員数35名、平均年齢75歳。
・活動日:月3回金曜13:30〜15:30
・活動場所:練馬区
・入会費:1,000円 月会費:2,600円 年会費:2,000円
⚫︎コールマメール
団員数22名の女声コーラス。70歳代3名、80歳代12名、90〜95歳代7名。
年2回のイベントに精力的に参加。春のシニアコーラスTOKYOフェスティバル、秋の世田谷区合唱祭。2025年には創立60周年記念コンサートを計画中。
・活動日:毎週水午前
・月会費:5,000円
・活動場所:世田谷区
・サークル感覚で気軽に!初心者も大歓迎なシニアコーラス
楽譜が読めなくてもOK、パート分けもなく、全員で同じメロディーを歌いましょうというコーラスです。こういったコーラスの場合、ただ単に合唱を楽しむだけでなく、お友達づくりの場としても最適です。
「みんなで笑顔で歌って元気になろう」の合言葉をもとに、童謡・唱歌・昭和歌謡などをプロの音楽家の指導とピアノ伴奏で楽しく歌うコーラス。東京都を中心に神奈川、千葉、埼玉などの各地で250団体、2000名ほどの団員数で活動している。
オペラ歌手 故・中島啓江が立ち上げ現在は、安田祥子さんが顧問を務めるNPO法人音楽で日本の笑顔をにより地域のスマイル合唱団は運営の支援を受けている。
・月2回の活動。10:00~11:30または13:00~14:30。
・入会金:3,000円 月会費:4,000円
※NPO法人が支援する他の合唱団でも会費内で何回でも歌える。
・今回、スマイル合唱団さんに取材をさせていただきました!
ーーースマイル合唱団に入会したきっかけはなんですか?
私は体調を崩し、ウツの時に、新聞の折り込み募集チラシを見て吸い寄せられるように入会しました。あれからもう5年。今では、大勢の若き音楽家の先生達からエネルギーをいただき、笑顔をいただき、”今日はどの先生かな?”とワクワクしながら活動に参加しています。
ーーー合唱団ではどのような歌を歌っていますか?
童謡・唱歌・日本歌曲などを歌っています。歌っていくうちに歌詞の美しさ・旋律の美しさに改めて気が付きました。子供の頃、何気なく口ずさんでいた、朧月夜・赤とんぼ・故郷・早春賦などは素敵な詩で、情景が浮かび、メロディーが心に沁みます。
ーーー合唱団に入って良かったことは何ですか?
日々の活動で、大きな口、大きな声で、汗をいっぱいかいて”今日も歌いきった!”と満足できるところです。私は月2回では物足りず、あちこちの合唱団にお邪魔し、お友達も増え、お食事したり、そして50年ぶりの感激の再会もありました。
「青い珊瑚礁」や「異邦人」などの青春時代のヒット曲を楽しく歌うコーラス。ほとんどの団員が一人や初心者からのスタートなので、安心して始められる。東京、神奈川、千葉、埼玉に約60ヶ所あり、通いやすい地域の合唱団を探すことができる。
前述したスマイル合唱団と同じようにNPO法人音楽で日本の笑顔をにより、地域の青春ポップス合唱団は、運営の支援を受けている。
・月2回の活動。10:00~11:30または13:00~14:30または19:00~20:30。
・入会金:3,000円 月会費:4,000円
※NPO法人が支援する他の合唱団でも会費内で何回でも歌える。
オペラ歌手 故・中島啓江が直接指導していたコーラスで、2024年3月までは上記のスマイル合唱団・青春ポップス合唱団の団員であることが入団資格であった。現在は一般の方を受け入れている。現在は工藤将が指導にあたっている。発声練習・コンコーネによる練習・パート練習等の歌唱練習を全般的に行う。2015年シニアコーラス日本チャリティ協会賞(3位)受賞。
・活動日:月2回月曜日13:00~16:00
・活動場所:新宿御苑前
・月謝:11,000円 入会金11,000円
その他:ドレス代、教材費、イベント参加費などは別途自己負担
指導 工藤将のプロフィール:武蔵野音楽大学音楽学部声楽学科卒業。広瀬香美ヴォーカルスクール「DoDream」(現広瀬香美音楽学校)講師として各レッスンを担当。オペラ歌手、ヴォイストレーナー養成にも力を入れている。
・お問合せ ㈱ピュアハーツ 03-6304-0188(平日10時~18時)
・おわりに
いかがでしたか?自分に合うコーラス団体は探せましたか?
2024年5月7日NHK BSの番組「フロンティア」の中で、研究者の間でも「難問」とされている「ヒトはなぜ歌うのか」をテーマにしていました。
アフリカの熱帯雨林に住む「音楽の民」と呼ばれている、バカ族(森の民という意味)の一集落(50人ほど)を取材し、彼らは生活の中で昼夜を問わず合唱で一体感を作り、仲間意識、安心感を高めていました。合唱を録音し分析すると、合唱により「集団の絆」を作ることを学術的に解き明かしていました。人は、つながるために音楽を手にしたといってもよいのではないか。ということばで締めくくられていました。
歌うこと、声を出すことは心にも身体にも良いことだらけです。さあ、コロナ禍もようやく明け、人との触れ合いも感じられるようになった今こそ、気軽に始められて長く続けられるコーラスを、趣味としてはじめてみませんか!?歌うって楽しいですよ!!!
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