プレビュー:新国立劇場バレエ『シンデレラ』10月4日(土)、5日(日) 札幌文化芸術劇場 10月17日(金)〜26日(日) 新国立劇場オペラパレス

シーズン幕開けは
圧倒的なハッピーエンドのおとぎ話

幸せいっぱいシンデレラストーリーをバレエで楽しむ
ペローの童話、「シンデレラ」はバレエにぴったりな題材です。
継母と意地悪な二人の姉にいじめられて使用人のように扱われているシンデレラ。仙女の魔法で美しくドレスアップして、かぼちゃが変身したピカピカの馬車に乗り込み、宮殿の舞踏会にシンデレラも出かけます。
12時の鐘が鳴り夢の魔法が解け、みすぼらしい姿に戻ったシンデレラは履いていたガラスの靴を片方置いたまま宮殿を後にします。シンデレラを探して王子は国中を巡り、最後はシンデレラを探し出し、結ばれてめでたしめでたし。となるわけですが、バレエ作品としての見どころが随所にあるのです。
仙女の魔法で変身し馬車に乗って舞踏会へ出かけるシーン、舞踏会で王子と踊るシーン、12時の鐘が鳴って大慌てで宮殿を出るドキドキするシーン、そして王子がシンデレラを探し当てるシーン、などなど。そういうシーンを彩るのが意地悪な姉や四季の精たち……。最初はシンデレラが可哀想なのですが、ほうきを手に舞踏会に出かけて踊っているような気持ちになるシンデレラの美しいソロがあり救われます。バレエの『シンデレラ』は最初から最後まで一貫して夢見心地で、小さな少女から大人まで誰もがわかりやすく楽しめるストーリーになっているのが魅力です。
レパートリーはアシュトン版

新国立劇場バレエ団がレパートリーとしているのはフレデリック・アシュトン版の『シンデレラ』です。
二人の意地悪な姉を男性が演じることが多いですが、これはアシュトン版で始められました。元々は女性ダンサーがキャスティングされていたのですが、一人が怪我をしてしまい、仕方なく振付家のアシュトンと男性の助手とで演じたところ、達者な二人が演じたこともあり、大成功を収めたのでした。主役の二人以外に、この二人の姉、仙女は誰がキャストされるのかも注目です。
5キャスト14公演という迫力

ハイレベルで層の厚いダンサーが所属している新国立劇場バレエ団だからこそ、国内ではここでしかできない5キャストを用意しています。
注目はゲストとして英国ロイヤル・バレエのプリンシパルであるワディム・ムンタギロフが2公演出演すること。米沢唯とペアを組みます。
シンデレラには米沢の他に、小野絢子、木村優里、柴山紗帆、池田理沙子が踊ります。
『シンデレラ』では王子のキャラクターはそれほど前面に出てくることはありません。それが故にいつでも王子然とした佇まいでいないとしらけてしまいます。シンデレラをやさしくエスコートする理想の王子様は、ムンタギロフ以外に、渡邉峻郁、速水渉悟、井澤駿、そして水井駿介が踊ります。この中で今回は水井駿介に注目したいです。牧阿佐美バレヱ団から2024年に新国立劇場バレエ団に入団した水井は現在ファースト・ソリストで、同じくファースト・ソリストの池田理沙子とペアを組みます。水井はこの『シンデレラ』で新国立劇場バレエ団での全幕公演で初主演を務めます。
プロコフィエフによる精緻で多彩な音楽もお聞き逃しのないように。この上なくロマンティックなオーケストラの響きにぜひ注目してください。
美しい舞台美術、衣裳も含め舞台すべてが夢のような美しいシンデレラ・ストーリーを楽しみましょう。
新国立劇場バレエ団『シンデレラ』撮影:瀬戸秀美
新国立劇場バレエ『シンデレラ』
開演:
2025年10月4日(土) 16:00
2025年10月5日(日) 14:00
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru
チケット料金:15,000〜10,000円
詳しくは:札幌文化芸術劇場
開演:
2025年10月17日(金) 18:30
2025年10月18日(土) 13:00/18:00
2025年10月19日(日) 13:00 託児サービスあり/18:00
2025年10月21日(火) 18:30
2025年10月22日(水) 14:00
2025年10月23日(木) 13:00
2025年10月24日(金) 18:30
2025年10月25日(土) 13:00 託児サービスあり/18:00
2025年10月26日(日) 14:00
会場: 新国立劇場オペラパレス
チケット料金:14,850〜4,950円
詳しくは:新国立劇場










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