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プレビュー:東京バレエ団『ドン・キホーテ』11月18日(火)〜24日(月・祝) 東京文化会館

みんな大好きドン・キホーテ
華やかな主役陣で魅了

スペインの港町バルセロナを舞台に、恋人同士の宿屋の娘キトリと床屋のバジルに、自分が騎士と思い込んでいるドン・キホーテとお供のサンチョ・パンサや、キトリの父がキトリと結婚させようと目論んでいる貴族のガマーシュらが絡み合ってドタバタに。古典バレエ作品には珍しく、妖精やプリンス&プリンセスが出てこないことと、最後に二人は結ばれるというハッピーエンドといったことで、底抜けに明るく楽しいバレエです。

東京バレエ団のレパートリーはワシーリエフ版

東京バレエ団の『ドン・キホーテ』は、アレクサンドル・ゴールスキー版をもとにして改訂振付されたウラジーミル・ワシーリエフ版をレパートリーとしています。ボリショイ・バレエ団でも踊られているこのプロダクション、コミカルな陽気さをキープしつつもそれぞれのキャラクターの心理描写が丁寧に描かれています。そのため、バレエ作品の『ドン・キホーテ』はキトリとバジルが主人公なのですが、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、ガマーシュと周囲の人物像も際立ち、物語が一段と面白くなっています。

加えて、ワシーリエフ自身が突出したダンサーであったために、男性ダンサーがとても魅力的に表現されます。また、エスパーダはこの作品においては元々男前に描かれ見せ場なのですが、ワシーリエフ版ではより一層、バジルとはまた異なるパッションのあるイケメンさを発揮しています。

キャストが一番の話題


3年ぶりの今回の上演では、6組の主役がキャスティングされています。上野水香が東京バレエ団での最後の『ドン・キホーテ』出演となります。これまで彼女のキトリに本当に多くの人が魅了されました。最後のキトリ、見逃せません。そして上野水香のパートナーとしてマリインスキー・バレエのキム・キミンがバジルで登場します。キミンのバジルも毎回、想像をはるかに超えるかっこよさで、華やかな二人のパフォーマンスが楽しみです。キミンはもう1回、伝田陽美とも踊リます。


中島映理子と二山治雄が主役を演じるのも話題です。かつて同時期にパリ・オペラ座バレエ団に在籍していた二人、いよいよ主役として登場するのです。二山は記念すべき全幕主役デビューです。中島は宮川新大、二山は涌田美紀とパートナーを組みます。ほかに、柄本弾と伝田陽美、秋山瑛と池本祥真も登場します。どのペアで鑑賞したらいいのか大いに迷うところ。チラシにも書かれているようにキャスト違いで何度も観たくなります。

これほど心から楽しめて、エンタテイメント性がありダンサーの技量を思う存分楽しめる作品はありません。7公演ありますが、人気の公演なのでチケットの用意はお早めに。

※11月19日(水)、21日(金)の公演に出演を予定しておりましたキム・キミン(マリインスキー・バレエ プリンシパル)はマリインスキー劇場での公演中に肩を負傷し、降板となりました。 代わりにヴィクター・カイシェタ(ウィーン国立バレエ団プリンシパル)が出演することになっています。詳しくは、こちらから


東京バレエ団『ドン・キホーテ』
公演日程
11月18日(火)13:00
11月19日(水)19:00
11月20日(木)19:00
11月21日(金)19:00
11月22日(土)14:00
11月23日(日)14:00
11月24日(月・祝)14:00

会場: 東京文化会館
チケット料金:15,000〜3,000円 

詳しくは:NBS

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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