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コラムシリーズ3 合唱サークル指導者という音楽の仕事

声楽家卒業後の進路の一つ、合唱指導で育む人間力
将来のキャリアにつながる音楽の仕事
合唱が好き、で集まった人々

合唱サークルにやってくる人たちは、歌うのが好きな人たちですが、それぞれさまざまなバックグラウンドを持っています。

また、歌うという行為の背景には、大きな声で歌いたい、いい気分になりたい、ストレス発散の時間にしたい、といったいろいろな希望があります。

共通しているのはもっと上手くなってもっと楽しみたい、笑顔になれたらいいな、ということでしょう。試験やコンクールに向けて歌うわけではないので、技術向上は常に心がけるとしても、指導は単純ではありません。

自分より年齢が高い人が大勢いるのが普通です。そういう人たちに向けて指導するのは、最初は難しいかもしれません。これまでそんな経験をしたことがないからです。

合唱指導は人間力向上のチャンス

もともと声楽家は自分の体が楽器ですから、表情、声色、ジェスチャー、アイコンタクト等々、プレゼン力が普通の人よりずっと高いです。

これまで教わる立場から指導する側になると、そういうプレゼン力は指導力となり、とても強みになります。

だれとでもコミュニケーションをとることにも長けています。はっきりと落ち着いた大きな声でその場にいる人全員が聞こえるように話す、それは相手に理解させるための努力をしているということですから、これだけでも十分コミュニケーション力はあると言えます。

異世代との交流、教えを受ける側から指導する側へ、これは自身の人間力の向上につながります。例えば将来、演出を手がける、企画をプレゼンする、自己アピールをするなどという機会があった際にも活かせます。

人生の先輩たちはそもそも寛大です。上手くなるための助言には耳を傾けてくれます。

そういう環境に慣れて、互いにコミュニケーションが活発になっていけばいくほど、音楽を通して共に過ごす時間は豊かなで貴重なものとなるでしょう。

NPO法人で音楽家のキャリアを築く

「NPO法人音楽で日本の笑顔を」では、音大での勉強、経験を生かし音楽の仕事として社会貢献活動できます。

このNPO法人はオペラ歌手の故中島啓江が立ち上げた法人で、1都6県にある300以上のコーラス団体「スマイル合唱団」「青春ポップス合唱団」を支援しています。各地域の合唱サークルを作り、その後の支援活動を行い住民の健全交流を促し、生涯学習、高齢化社会での生き甲斐づくりに寄与しています。また、音楽家達の雇用を促進し、コンサートなどの公演を行い、文化を育む活動も行っているのが特徴です。被災地では心の復興の為に定期的に合唱活動も行っています。

現在、約30名ほどの音楽家指導員が活躍中で、声楽専攻だけでなく、ピアノ・楽器・作曲・指揮など、さまざまな専攻の指導員が合唱指導にあたっています。

「NPO法人音楽で日本の笑顔を」には、常勤・非常勤がある

合唱指導員として、各地域の活動に指導に行くのが主な仕事内容ですが、常勤指導員になると事務局内での内勤業務も行うことになります。

・常勤指導員
月給:200,000円~(フルタイム)
賞与(年2回)・昇給(年1回)有
〈給与例〉給与(賞与含む)+音楽活動=400万円/年
・非常勤指導員
1回1.5時間の合唱指導につき4,000~5,000円(1日2回がセット)

※コンサート出演の際は別途ギャランティーの支給あり

合唱指導の他、コンサート出演の機会も多数! やりがいを感じながら確かな演奏経験も積むことができる

毎日様々な地域の合唱団に行き、合唱団員さんと音楽を通じた交流が持てるだけでも、音楽家として非常にやりがいを感じられることでしょう。それだけでなく、年に数回のコンサートに出演することができ、確かな演奏経験も積むことができます。合唱団の応援団長には安田祥子さんが就任されており、同じステージに立って演奏する機会もあるそうですよ。音楽を通じて社会貢献活動もでき、また演奏家としてもレベルアップしていける、それがNPO法人音楽で日本の笑顔をの職員になる最大のメリットですね。

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