プレビュー:NISSAY OPERA 2025 『サンドリヨン』11月15日(土)〜16日(日) 日生劇場

オペラのシンデレラ
極上のファンタジックな音楽を楽しむ
フランスの作曲家、ジュール・マスネはオペラをたくさん書いたことで知られ、『マノン』『ウェルテル』『タイス』はよく上演されますが、実は『ドン・キショット』『サンドリヨン』も評価が高い作品です。上演される機会はあまり多くない『サンドリヨン』が今回、上演されます。1899年にオペラ=コミック座で初演された4幕のオペラです。
演出で変わるおなじみの物語
コミカル、ファンタジー要素の塩梅が楽しみ
「シンデレラ」といえば、継母と二人の義姉がいていじめられている、妖精に魔法をかけてもらい王宮の舞踏会に出かける、王子と恋に落ちる、魔法が解ける12時に鐘が鳴りガラスの靴を残し去る、王子が見つけ出しハッピーエンド! 「シンデレラ」にはさまざまなバリエーションがあるのですが、これらの要素は大体共通しているようです。
この物語を夢見るロマンスにするか、コミカルさを強調しそれぞれのキャラクター色を濃く出すか、によって印象は大きく異なります。
マスネの音楽は、多彩な音楽様式が盛り込まれ、オペラとしての見せ場もちゃんと用意されており、音楽はキラキラ感満載で申し分がありません。
例えばプロコフィエフがバレエ『シンデレラ』のために作った音楽は、第二次世界大戦の1944年に作曲、この頃プロコフィエフは戦争によって辛い体験をしていました。初演は1945年でした。傷ついた人々の復興と再生、という思いが込められ、踊ることを強く意識した抒情的な音楽から、シンデレラは健気で最後に幸せを手にすることから幸福の象徴、というイメージが強いです。
一方、マスネの『サンドリヨン』は洗練されており、とにかく音楽が華やかで極上のファンタジーとして圧倒されます。
さらに、劇中の舞踏会シーンではダンスもふんだんに楽しめ、五感を刺激する要素も多くなっています。
煌めく舞台を作り上げる
スタッフ、出演者


今回、演出・振付は広崎うらんが手がけます。蜷川幸雄演出作品に振付家として参加したほか、『レ・ミゼラブル』『ベガーズ・オペラ』などのミュージカル作品の演出で知られるジョン・ケアードの作品を日本上演する際、振付を担当しています。日生劇場のNISSAY OPERAシリーズでは『ヘンゼルとグレーテル』で演出を手掛けています。
指揮は柴田真郁です。最近はマスネ『ナヴァラの娘』の日本初演(藤原歌劇団)、ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』(日生劇場)などを指揮しており、観る者の心を掴むダイナミックかつドラマティックな解釈は高く評価されました。オーケストラは読売日本交響楽団です。
シンデレラは実はリュセットという名前がついています。主人公のリュセットと王子(こちらもシャルマンという名前があります)、妖精たちはじめ歌手はすべてオーディションで選抜された実力者。






リュセット&シャルマン王子&妖精のキャストは、15日が盛田麻央&杉山由紀&鈴木玲奈、16日は金子紗弓&山下裕賀&横山和美です。
しばしファンタジーの世界に浸れる美しく華麗な舞台を楽しみましょう。
NISSAY OPERA 2025 『サンドリヨン』
公演日程
11月15日(土)14:00
11月16日(日)14:00
会場:日生劇場
チケット料金:12,000〜8,000円(学生席3,000円)
詳しくは:日生劇場










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