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極上のロマンティック・オペラ、プッチーニ『ラ・ボエーム』〜あらすじや曲を紹介〜

世界中で上演されるオペラの作曲家、ジャコモ・プッチーニ(1858-1924)。彼の不朽の名作『ラ・ボエーム』は、パリの若者たちの甘く切ない青春を描いた極上のロマンティック・オペラです。

オペラ『ラ・ボエーム』の魅力はなんと言っても、甘く美しいプッチーニのメロディ!夢のような陶酔感を呼び起こすため、センチメンタル過ぎると言われることもあるほど。そんな美しいメロディが彩るアリアの数々は名作揃いで、『ラ・ボエーム』はオペラ初心者でも気軽に楽しむことができます!

オペラ『ラ・ボエーム』は直近で、6月28日(水)~7月8日(土)に、新国立劇場オペラの公演が予定されています。

あらすじや見どころを知って、オペラ『ラ・ボエーム』を楽しみましょう!

1.オペラ『ラ・ボエーム』とは?

プッチーニ直筆の総スコアの一部
出典:Wikimedia Commons


オペラ『ラ・ボエーム』は、プッチーニの作品の中でも特に人気が高く、毎年のように各国のオペラ劇場で上演する定番演目です。

英雄も悪者も登場せず、崇高な神話でもありません。パリに住む等身大の若者たちの生活をリアルに描いた青春ドラマ。観客は無意識のうちに登場人物の中に自分の姿を投影し、彼らと共に物語の世界に生き、喜怒哀楽を体験します。

オペラ『ラ・ボエーム』は美しい舞台も見もの!パリの屋根裏部屋、クリスマス・イヴの街の賑わい、雪の情景など、目にも耳にも楽しめるオペラです。


ラ・ボエーム|La Bohème

原作アンリ・ミュルジェールの小説・戯曲『ボヘミアン生活の情景』
台本ジュゼッペ・ジャコーザ/ルイージ・イッリカ
作曲ジャコモ・プッチーニ
初演1896年2月1日トリノ・レージョ劇場
構成全4幕
上演時間約1時間40分

1-1. オペラ『ラ・ボエーム』先読みあらすじ

『ラ・ボエーム』1896年初演時のポスター
アドルフ・ホーヘンシュタイン画
出典:Wikimedia Commons


1830年頃のパリ。詩人ロドルフォは、画家のマルチェッロ、音楽家のショナール、哲学者のコッリーネと安アパートの屋根裏部屋で共同生活をしていました。ロドルフォが部屋に一人でいると、お針子のミミがランプの火を借りにやって来ます。恋に落ちた2人は、仲間の待つパリのカフェへ。

クリスマス・イヴでにぎわうパリの街。ロドルフォが友人達にミミを紹介していると、ムゼッタが登場。ムゼッタと昔付き合っていたマルチェッロは、彼女とよりを戻します。ムゼッタのパトロンにカフェの勘定を押し付ける若者たち。

時が流れ、雪が降る夜明けのパリ。ミミはロドルフォとの仲に不安を覚えています。一方ロドルフォは、ミミの病気が深刻なので貧乏な自分とは別れた方がいいと考えていました。2人は春になったら別れようと決めます。

再び屋根裏部屋。ミミのことが忘れられないロドルフォのもとに、ミミを連れたムゼッタが現われます。衰弱したミミは、死ぬ前にロドルフォに一目会うためやって来たのでした。
医者を呼ぶ金を作るため仲間たちは出ていき、2人になったミミとロドルフォは思い出を語り合います。その間もミミの状態は悪くなる一方。ロドルフォや仲間たちに見守られる中、とうとうミミは息を引き取ります。

2.オペラ『ラ・ボエーム』の登場人物

オペラ『ラ・ボエーム』のポスターデザイン
アドルフ・ホーヘンシュタイン画 ,1895年
出典:Wikimedia Commons

ミミ|ソプラノ

貧しいお針子。ロドルフォと恋人同士。

ロドルフォ|テノール

詩人。ミミと恋人同士。

ムゼッタ|メゾソプラノ

歌手。マルチェッロと恋人同士、ミミの友人。

マルチェッロ|バリトン

画家。ムゼッタと恋人同士、ロドルフォの親友。

ショナール|バリトン

音楽家。ロドルフォの友人。

コッリーネ|バス

哲学者。ロドルフォの友人。

ブノア|バス

ロドルフォ達の家主。

アルチンドーロ|バス

議員。ムゼッタのパトロン。

ほか

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神保 智 じんぼ ちえ 桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース声楽科在学中。子どものころから合唱団で歌っていた歌好き。現在は音楽大学で大好きなオペラやドイツリートを勉強中。

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