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プレビュー:2022年8月19日(金)公開 映画『新章 パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり』

映画『新章 パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり』
2022年8月19日(金)公開!

コロナ禍での名門バレエ・カンパニー
心を打つドキュメンタリー

コロナの世界的パンデミックで、パリはロックダウンが続きました。もちろんパリ・オペラ座も公演だけでなく、日々のレッスンもなくなりダンサーたちは自宅待機していました。

自宅待機が始まってから3カ月後の2020年6月15日、レッスンが再開されました。映画はこの日から始まります。

久しぶりに見るパリ・オペラ座のダンサーたち、エトワールも続々登場し、彼らの美しさに改めてため息が出ました。ヌレエフ版「ラ・バヤデール」(古代インドが舞台のバレエ作品)の上演へ向け、リハーサルは着々と進みます。普段見ることのできない舞台裏の映像が満載です。

ところが本番4日前に再び劇場は閉鎖され、公演も中止となりました。1度だけ、無観客で上演されることが決まります(ストリーミング配信されました)。

バレエ・カンパニーはダンサーにヒエラルキーがあり、トップは通常プリンシパルと言いますが、パリ・オペラ座の場合はエトワールと言います。エトワールより下は毎年試験があり合格すれば上に上がれるのですが、エトワールになるための試験はありません。

公演終了後のカーテンコールの際、オペラ座総監督と舞踊芸術監督がステージに登場し「今日は嬉しいお知らせがあります」とアナウンスしたのちにエトワール任命が告げられるのです。もちろん誰も何も知らされていません。
その場に居合わせた観客も大興奮し、劇場にいる全員でエトワール誕生を祝うということが通常行われています。

この無観客公演では、ブロンズ・アイドル(超絶技巧ソロを踊る神様役)を踊ったポール・マルクがエトワールに任命されました。うれしそうでしたが、パリ・オペラ座のダンサーにとって人生でもっとも晴れがましい瞬間、観客からの拍手がないというとてもせつない任命となりました。

 
 
 
 
 
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ロックダウンが解除され、カンパニーは動き出します。今度はヌレエフ版『ロミオとジュリエット』公演へ向けてまた練習の日々です。無事観客が入った状態での公演が実現し、新たなエトワールが任命される……。

パリ・オペラ座バレエ団という世界有数のバレエ・カンパニーのコロナ禍での営みを追ったこの映画、美しい舞台はもちろん、そこに至るまでのすべてが美しく圧倒的でした。そしてダンサーがダンサーでいられる時間はとても短く、この閉鎖期間がどれほどダンサーたちの心をざわつかせたか、ということも通奏低音のように終始感じさせられました。

危機にさらされても芸術に献身することを諦めないアーティストたちの姿を描いた、とても感動的なドキュメンタリー映画です。


8月19日(金)ロードショー

8/19日公開
千葉県 千葉劇場
東京都 Bunkamura ル・シネマ
神奈川県 ムービル

9月以降上映予定
東京都 立川シネマシティ
茨城県 USシネマつくば
群馬県 シネマテークたかさき
(関東の劇場のみ記載)

ポストカードつき前売りチケット1500円、そのほか各劇場によります
詳しくは:GAGA★


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エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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