プレビュー：2023年10月7日(土)〜14日(土)鈴木優人プロデュース／BCJオペラシリーズVol.3『ジュリオ・チェーザレ』神奈川県立音楽堂他

2023.09.21おすすめオペラ

2023年10月7日(土)〜14日(土)
10月7日（土）兵庫県立芸術文化センター
10月11日(水)東京オペラシティコンサートホール
10月14日（土）神奈川県立音楽堂

鈴木優人プロデュース／BCJオペラシリーズVol.3　ヘンデル歌劇『ジュリオ・チェーザレ』

クオリティの高いパフォーマンスでバロックオペラの楽しさを知る

海外からのゲストを迎え、待望の第３回作品は『ジュリオ・チェーザレ』

古楽器オーケストラ・合唱団のバッハ・コレギウム・ジャパン（BCJ）が手がけるバロックオペラシリーズの第３回としてヘンデルの『ジュリオ・チェーザレ』が上演されます。今回は東京、神奈川、さらに兵庫公演もあり着実に高く評価されファンが増えているのがわかります。

第2回は2020年にヘンデルの『リナルド』が上演されました。コロナ禍で海外からアーティストを招くことができないばかりか開催も危ぶまれる中での上演でした。セミステージ形式でステージ上にオーケストラが配されて、鈴木優人が弾き振り（チェンバロを弾きながら指揮をする）で演奏し、大変楽しく大成功を収めた舞台でした。

ユリウス・カエサルとクレオパトラ、そしてクレオパトラの弟プトレマイオス13世をめぐる戦乱の世の物語

ジュリオ・チェーザレは、古代ローマの英雄ガイウス・ユリウス・カエサルのイタリア語読みです（英語読みだとジュリアス・シーザー）。この作品はイタリア語で上演されるのでこのタイトルがついています。

古代ローマの英雄、チェーザレがエジプト遠征で戦った「ナイルの戦い」に材をとっています。エジプトを舞台に、チェーザレとクレオパトラ、そしてクレオパトラの弟トロメーオ（プトレマイオス13世）との関わりが描かれます。権力争いに明け暮れる戦乱の世が舞台ですから、ダイナミックなスペクタクルが展開されます。

バロック音楽のスペクタクルとはどのような音世界なのでしょう。大編成のオーケストラによる大音響が鳴り響くわけではないですが、オーケストラも歌もともにかなりドラマティックで、ライヴならではのスリリングな演奏に引き込まれてしまいます。

魅力的でベストなキャスト

チェーザレ役はカウンターテナーのティム・ミードが出演します。超売れっ子のティム・ミードを日本で聴ける幸せを楽しみましょう。

クレオパトラ役には、ソプラノの森麻季、セスト役にソプラノ松井亜希、アキッラ役にバリトン大西宇宙、ニレーノ役にカウンターテナー藤木大地が出演します。彼らはそれぞれこれまでのBCJのオペラシリーズに出演した経験があり、BCJとのチームワークの良さが光るパフォーマンスを披露してくれることでしょう。

他に、コーネリア役にアルトのマリアンネ・ベアーテ・キーラントが出演します。昨年、新国立劇場での『ジュリオ・チェーザレ』公演でタイトルロールを歌いました。また昨年末のバッハ・コレギウム・ジャパンのベートーヴェン『第九』公演にも出演しています。さらにBCJのヨーロッパ公演に出演したカウンターテナーのアレクサンダー・チャンスもトロメーオ役で出演します。