• HOME
  • Pick Up公演
  • プレビュー:2022年9月3日(土)、4日(日)牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』

プレビュー:2022年9月3日(土)、4日(日)牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』

2022年9月3日(土)、4日(日) 牧阿佐美バレヱ団
『飛鳥 ASUKA』

2021年10月に逝去されたバレリーナ・振付家の牧阿佐美氏。牧阿佐美バレヱ団は、牧の最後の全幕舞台の創作である『飛鳥 ASUKA』を追悼公演として上演します。

撮影・瀬戸秀美

大事な節目で踊り継いできたカンパニーの宝

「飛鳥 ASUKA」は1957年、牧阿佐美バレヱ団第2回定期公演で上演された「飛鳥物語」が元になっています。これは牧阿佐美の母、橘秋子が創作したもので、音楽に雅楽、舞踊に舞楽を取り入れるという意欲作でした。

「飛鳥物語」1957年初演

音楽を、オーケストラを使った新しいものにして1962年に再演します。この時、文化庁芸術祭文部大臣奨励賞を受賞しています。
その後、1976年の創立20周年記念公演、1986年の創立30周年記念公演に、牧がそれぞれ改訂を加えて再演します。そして2016年に、創立60周年記念シリーズのメイン公演として再びこの作品は上演されるのです。
このようにカンパニーの節目ごとにブラッシュアップして、この作品は大切に上演されてきました。

 特に2016年のバージョンには大幅な改訂がなされました。美術監督に洋画界の重鎮、絹谷幸二を迎え、絹谷は色彩豊かで躍動する竜神を描きました。そしてその竜神に、プロジェクション・マッピングを使用して豪快だったり優美だったりする動きを与えたのです。
舞台を包み込むように動く色鮮やかな竜神は、この作品に新たな命を吹き込みました。

撮影・瀬戸秀美

2016年公演は、カナダ国立バレエ団のプリンシパル、スヴェトラーナ・ルンキナと、ボリショイ・バレエ団のプリンシパル、ルスラン・スクヴォルツォフをゲストに迎え、大成功を収めました。その後、ニーナ・アナニアシヴィリを迎えて富山公演を行い、2018年にはまたルンキナ&スクヴォルツォフを迎えて再演、翌2019年にはウラジオストーク公演も成功させました。

今回の追悼公演は、この2016年の版を上演します。

いにしえの都、飛鳥と異界が舞台

竜神、衣装や舞台美術など「日本」は随所に感じられます。
竜神に愛される舞女(まいめ)の春日野すがる乙女と、彼女と幼い頃より兄弟のように育ち、思いを寄せる岩足(いわたり)、竜神の妃になれると信じている黒竜、そして竜神、彼らが織りなす愛の物語です。

竜神信仰をからめていますが、普遍的なラブ・ストーリーであり、美しくファンタジックな世界観はワールドワイドに感動する舞台芸術作品です。

今回は2キャスト組まれており、春日野すがる乙女に青山季可(3日)、中川郁(4日)、岩足に清瀧千晴(3日)、水井駿介(4日)、黒竜に佐藤かんな(3日)、田切眞純美(4日)、そして竜神は両日とも菊地研が踊ります。

左:青山季可 撮影・鹿摩隆司 右:中川郁 撮影・瀬戸秀美

左:清瀧千晴 右:水井駿介(『アルルの女』出演時) 撮影・瀬戸秀美

左:佐藤かんな 右:田切眞純美 撮影・鹿摩隆司

菊池研 撮影・鹿摩隆司

コール・ド・バレエの美しさも見どころの一つです。カンパニーのダンサー全員が一つになって舞い踊るシーンは物語を盛り上げます。

生涯、日本のバレエ界を牽引しただけでなく、日本から世界へ評価されるクリエイションを発信し、挑み続けた真のアーティスト、牧阿佐美氏への追悼の思いを胸に、この作品を鑑賞したいです。

いずれも撮影・瀬戸秀美


牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』

2022年9月3日(土)、4日(日)
会場:東京文化会館大ホール

開演:各日15時

★ チケット料金
5,000円〜14,000円

詳しくは:牧阿佐美バレヱ団

公演一覧
Pick Up公演


ヘッダー写真撮影 瀬戸秀美

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。