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『キエフ・バレエ・ガラ2022』開催直前&12〜1月来日公演の発表記者会見(2022年7月14日)

冬は歌劇場として来日

 12月17日から2023年1月15日まで、ウクライナ国立歌劇場(旧名称キエフ・オペラ)が来日公演を行うことが発表された。

バレエだけでなく、オペラ、オーケストラも来日する総勢200名での公演だ。バレエ13公演、オペラ7公演、オーケストラ4公演、オーケストラとバレエ2公演、の全26公演。1972年に初めて来日してから50年を経て、今年も来日が、しかも歌劇場での来日が実現する。

バレエは「ドン・キホーテ」、オペラは「カルメン」、オーケストラは「第九」を上演する予定だ。フィリピエワは「実現に導いてくださった寺田さんと光藍社の努力に感謝したいです。全幕バレエをぜひ見ていただきたい。最高のダンサーを揃えて来日します。日本のみなさまがこれまで愛してくださったダンサーもいれば、初めての来日となるダンサーもいます。楽しみにしていただければと思います」とのこと。

ウクライナの芸術の未来を見据えて

記者会見の間、終始寺田の表情は厳しかった。現状は簡単に伝えられるものではないのだろう。今回のカンパニーとしての公演は非常に重要なプロジェクトだと寺田は言う。
難民として西ヨーロッパに散らばったダンサーが集まり同じ舞台に立つことは初めてで、今回のガラ公演の映像を世界の人々に見てもらいたいとのこと。

「戦争はいつか終わる、その後のウクライナの芸術を絶やさずどうやって守っていくか」──

寺田は現状を憂慮し、先を見つめていた。11歳からキーウに留学し、キエフ・バレエの附属バレエ学校の校長を務めるなど35年間ウクライナ国立バレエのために尽力してきた寺田だからこその思いが伝わってきた。

今夏のツアー公演では、今回のために彼が創作した『ひまわり』(音楽は葉加瀬太郎、ひまわりはウクライナの国花)が世界初演される。

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ずっと日本で公演が行われるために

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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