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2022年4月23日(土)神奈川フィルハーモニー管弦楽団「 第376回定期演奏会」:神奈川県民ホール

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第376回定期演奏会

新音楽監督、沼尻竜典 登場


神奈川フィルハーモニー管弦楽団は2022年4月から新たな音楽監督、沼尻竜典を迎えます。第376回定期公演が大事なお披露目公演となります。
選ばれた作品はヘンツェの『ピアノ協奏曲第1番』(ソリスト児玉麻里)とブラームスの『交響曲第1番』。

ハンス・ヴェルナー・ヘンツェは20世紀の作曲家で、交響曲を10作品残しているほか、オペラも多作で三島由紀夫の『午後の曳航』をオペラ化した『裏切られた海』(1990年ベルリン・ドイツ・オペラ初演)の作曲者としても知られている。また、バレエ作品も多数作曲していて、『オンディーヌ』(アシュトン振付、1958年英ロイヤル・バレエ団初演)も彼の作です。

ヘンツェは2012年に亡くなり、翌2013年に、沼尻は『ピアノ協奏曲第1番』を東京フィルハーモニー交響楽団、ソリスト小菅優とともに日本初演しました。この『ピアノ協奏曲第1番』は、1950年の作で、急─緩─急という伝統的な構成ですが、バレエのパ・ド・ドゥ形式にのっとり「アントレ」「パ・ド・ドゥ」「コーダ」と名づけられています。

「パ・ド・ドゥ形式」とは古典バレエにおいて男女二人による最大の見せ場で踊られる形式のことです。男女で踊る入場の「アントレ」、それぞれのソロ「ヴァリアシオン」、最後に二人で締めくくりに踊る「コーダ」となります。

バレエを知り尽くしたヘンツェが速度標語や特別なタイトルを付すのではなく、なぜバレエの形式に因んだタイトルをつけたのか。ピアノとオーケストラでバレエ作品と捉えていたのか、児玉はどう解釈するのだろう、など考えながら聴いてみるのも楽しいかもしれません。

そしてブラームスの『交響曲第1番』。お披露目に相応しい直球勝負の作品。マエストロとオーケストラとがこれからどのような音を紡いでいこうとしているのか、その片鱗を感じさせてくれるはず。大いに期待しましょう。

文:結城美穂子


4月23日(土)
会場:神奈川県民ホール大ホール

開演:14時
チケット料金:3000円〜6000円

詳しくは:神奈川フィルハーモニー管弦楽団


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エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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