ウルトラシリーズとクラシック音楽① ウルトラセブン最終話「史上最大の侵略 後編」×シューマン『ピアノ協奏曲イ短調』 シン・ウルトラマン便乗短期連載
ウルトラセブン最終話
『史上最大の侵略』後編
〜前半 迫る危機と告白〜
ダンはそのまま治療を受ければ自分がウルトラセブンだとバレてしまうので、病院を抜け出します。ウルトラ警備隊の基地にも戻ることができません。
前編での失態に加え、病院から逃げ出したダンを、上官の一人は無責任だ、敵前逃亡だと激しく罵ります。
一方ゴース星人は作戦を進め、地中から目標を狙うために迎撃不能という地底ミサイルの発射基地を建造します。
人類に対して、降伏して奴隷になるか、地底ミサイルで皆殺しになるかの選択を迫り、手始めにモスクワやニューヨークなど世界の主要都市を順番に攻撃します。
東京に攻撃の順番が迫る中、首脳会議を開くなどして世界総出で時間稼ぎを行った甲斐あって、ウルトラ警備隊はゴース星人の基地の場所を突き止めました。
そして、次の攻撃が行われる前に一刻も早く、基地破壊作戦を決行することになります。……囚えられたアマギ隊員を巻き込む覚悟で。
世界中の人々の命が天秤にかけられている以上仕方のない、苦渋の決断でした。
その作戦会議を、ダンは通信機で傍受していました。
アマギ隊員を犠牲にするわけにはいかない、決死の覚悟でウルトラセブンに変身しようとしたところで、アンヌ隊員が駆け付けます。
病院から脱走したダンを案じて事情を聴きに来たのですが、基地の破壊作戦は今にも行われる……。
そこでダンは、正体を隠すことを諦め、自分がウルトラセブンであるとアンヌに告げます。
その瞬間に、『ピアノ協奏曲イ短調』の出だしが重なります。
劇的な響きとともに、二人の姿が銀色の背景に浮かぶシルエットに変わり、アンヌの受けた衝撃、ダンの決心、避けえぬ別れを象徴します。
ここからドラマの終わりまで、『ピアノ協奏曲イ短調』が物語を彩り続けます。
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