バレエ『真夏の夜の夢』(A Midsummer Night’s Dream)のあらすじや登場人物を分かりやすく解説!
1.2 バレエ『真夏の夜の夢』のストーリー|アシュトン版に基づいて解説
アシュトン版の『真夏の夜の夢』は全一幕。原作のストーリーが整理され、分かりやすくまとめられています。
そんなアシュトン版に基づいて、バレエ『真夏の夜の夢』のストーリーをご紹介していきます。
【1場】
妖精王オベロンと妖精の女王タイターニアの喧嘩
舞台はアテネの森の中。妖精王オベロンと妖精の女王タイターニアの夫婦がインドからさらってきた美しい少年の所有を巡って喧嘩をしています。(当時、妖精は人間の子供と妖精の子供をすり替えると信じられていました。)
少年をどうしても自分のものにしたい妖精王オベロンは、いたずら好きな妖精パックにタイターニアに魔法をかけるよう命令します。その魔法とは、目を覚ましたときに最初に見た人に恋をしてしまう「魔法の花」の汁を使ったものでした。
【2場】
ライサンダーなど若い男女が森に迷い込む
その頃、森の中には、恋人同士のライサンダーとハーミア、ハーミアに恋をするデミトリアス、デミトリアスの元恋人ヘレナなど、若い男女が迷い込んできます。
4人の様子を見た妖精王オベロンは、妖精パックに、魔法の花の力を使って「デミトリアスとヘレナが両想いになるように」と命じるのです。
【3場】
タイターニアが田舎者のボトムに恋をする
妖精王オベロンの命令により、妖精パックは寝ているタイターニアの目に魔法の花の汁をたらします。
目を覚ましたタイターニアは、目の前にいたロバに恋をしてしまいます。実はこのロバは、妖精パックの魔法によってロバの姿に変えられた田舎者のボトムでした。
【4場】
ライサンダーらの関係があべこべに
妖精王オベロンの命令に従ってデミトリアスに魔法の花を使い、ヘレナと両想いにしようとする妖精パックですが、間違えてライサンダーに魔法の花を使ってしまいます。ハーミアの恋人であるライサンダーですが、魔法の力によってヘレナに夢中になるのでした。
パックの間違いに気づいて、妖精王オベロンはデミトリアスに魔法の花を使います(※)。そしてデミトリアスは目の前にいたヘレナに夢中に。ヘレナを巡ってライサンダーとデミトリアスがいさかいを起こし、ライサンダーの恋人ハーミアは、ライサンダーの心変わりを悲しむ大変な事態になってしまうのでした。
(※パックがライサンダー、デミトリアスの両方に魔法をかける演出もある)
【5場】
混乱が解かれた森に平和が訪れる
ライサンダーらの関係があべこべになったり、妖精の女王タイターニアはロバに恋をしたりと、魔法によって森は混乱状態に・・・。見かねた妖精王オベロンは、パックに命じてすべての魔法を解きます。
その後、妖精の女王タイターニアは妖精王オベロンと仲直りしました。美しい少年も妖精王オベロンに渡します。
また、ライサンダーとハーミア、デミトリアスとヘレナのそれぞれが元の恋人同士に戻り、森から去って行きました。
森に平和が訪れ、幕を閉じるのでした。
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