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バレエ『真夏の夜の夢』(A Midsummer Night’s Dream)のあらすじや登場人物を分かりやすく解説!

2. バレエ『真夏の夜の夢』の原作はシェイクスピアの喜劇

冒頭でもお伝えしたとおり、バレエ『真夏の夜の夢』はシェイクスピアの喜劇『A Midsummer Night’s Dream』が原作です。

原作では、主にハーミアやライサンダーなどの「貴族たち」、ボトムなどの「職人たち」、妖精王オベロンや妖精の女王タイターニアなどの「妖精たち」という3つの軸を元に話が進んでいきます。

親が決めた許嫁デミトリアスとの結婚を嫌がるハーミアは、ライサンダーと会うために森へ迷い込みます。一方、とある結婚式で芝居をするボトムら職人たちは、練習のために同じく森へ。

そうして、アテネの森の中に迷い込んだ「貴族たち」と「職人たち」と、森の中に住む「妖精たち」が絡み合う物語が進んでいくのです。

3. バレエ『真夏の夜の夢』の振付師・演出家ごとの違い

バレエ『真夏の夜の夢』には、さまざまな演出があります。

今回は、特に有名な4つの演出について、構成の違いや特徴などをご紹介します。

3.1 【初演】バランシン版

バレエ『真夏の夜の夢』の初演は、1962年のバランシン版です。

全2幕の構成となっていますが、物語自体は1幕で終了します。2幕は、アテネの貴族シーシアス公の婚礼の宴。1幕の主役である妖精王オベロンと妖精の女王タイターニアはあまり出番がないディヴェルティスマンです。

ディヴェルティスマンとは、物語とは直接関係のない余興的な踊りのこと。ほかの例では、バレエ『くるみ割り人形』で踊られる各国の踊りのように、宴を盛り上げるための踊りとして位置づけられるものです。

バランシン版の『真夏の夜の夢』は、ニューヨーク・シティ・バレエ団やパリ・オペラ座バレエ団がレパートリーとしています。

3.2 アシュトン版 

フレデリック・アシュトンが手がけたアシュトン版『真夏の夜の夢』は、1964年に制作されました。

原作の複雑なストーリーが分かりやすく整理されています。全1幕で1時間ほどの上演とスッキリ見られる作品に仕上がっており、とても人気の演出です。

アシュトン版の『真夏の夜の夢』は英国ロイヤルバレエ団やABT(アメリカン・バレエ・シアター)がレパートリーとしています。

3.3 ノイマイヤー版

ジョン・ノイマイヤー振付のノイマイヤー版『真夏の夜の夢』は、1977年に制作されました。

プロローグ、第1幕、第2幕という構成になっています。プロローグは、アテネの貴族シーシアス公とヒッポリタの結婚式前夜、第1幕は夢、第2幕は目覚めと結婚式という構成です。

第1幕の夢の場面では、妖精王オベロンや妖精の女王タイターニアが全身タイツ姿で踊るなど、ほかの演出とはひと味違った『真夏の夜の夢』が楽しめます。

また、メンデルスゾーン作曲の戯曲に加えて、ジョルジュ・リゲティ作曲の現代音楽や手回しオルガンが登場するなど、音楽も特徴的です。

なお、ノイマイヤー版の『真夏の夜の夢』では、妖精王オベロンを演じるダンサーがアテネの貴族シーシアス公を演じます。同様に妖精の女王タイターニアとシーシアス公の婚約者ヒッポリタが二役、妖精パックと儀典長が二役と「貴族たち」と「妖精たち」が一人二役になっており、その人間模様にも要注目です。

3.4 マイヨー版 

モンテカルロバレエ団の芸術監督兼振付家であるジャン=クリストフ・マイヨーによって作られたマイヨー版『真夏の夜の夢』は、2005年に初演を迎えた作品です。

『le songe』(仏語、日本語で「夢」の意味)と題され、シェイクスピアの原作に忠実なストーリー展開となっています。

また、妖精王オベロンら「妖精たち」ライサンダーら「貴族たち」ボトムら「職人たち」にそれぞれ異なる作曲家の音楽をあてがうことで、3つの世界の違いを明らかにしているのも特徴です。

4. バレエ『真夏の夜の夢』の見どころ

バレエ『真夏の夜の夢』には、さまざまな見どころがあります。

中でも特に注目してほしい見どころを3つご紹介していきます。

4.1 有名な『結婚行進曲』がバレエで踊られる 

バレエ『真夏の夜の夢』の終盤には、メンデルスゾーン作曲の『結婚行進曲』で踊るシーンがあります。この『結婚行進曲』はクラシックに馴染みのない人でも一度は聞いたことがあるとても有名な曲ですよね。

この『結婚行進曲』は、元々バレエ音楽ではありませんでした。メンデルスゾーンが劇付随音楽として作曲したものです。

誰もが知っている有名曲なのでバレエ初心者にも馴染みやすく、また元々バレエ音楽でないものにどのような振付をするのかという振付家の力も垣間見えるシーンとなっています。

4.2 ロバ役の男性ダンサーがトゥシューズを履いて踊る 

アシュトン版の『真夏の夜の夢』では、魔法によってロバの姿に変えられた田舎者のボトムがトゥシューズを履いて踊ります。(動画5:00〜)

バレエでは、本来トゥシューズを履くのは女性だけ。ロバの被り物を被って、ただでさえ動きづらい中、本来履くことのないトゥシューズを履いて踊るためとても大変な役ともいえます。

そんなボトム役の男性ダンサーのポワントワーク(トゥシューズで立っておこなう動きのこと)にも要注目です。

4.3 妖精パックの軽快な踊りに注目 

物語進行のうえで重要な役どころとなる妖精パックは、いたずら好きとして知られている妖精。

そんな妖精パックのいたずら好きでコミカルな様子を表すように、ダンサーは舞台を駆け回り、飛びはねるような軽快な踊りを披露します。

妖精パックはバレエ団の中でも若手ホープが踊ることが多い役。高いジャンプや回転といったテクニックも楽しめます。

次ページ:近日上演の『真夏の夜の夢』

バレエ歴21年・とあるバレエ教室の現役生徒のまいです! 大好きなバレエの魅力や作品についてご紹介していきます♩

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