バレエ鑑賞初心者さん必見!バレエ公演の基礎知識やマナー、楽しみ方を解説
2.2 行く前にストーリーや見どころを予習するのがおすすめ!
バレエには、セリフがありません。
そのため、初めて観る作品はストーリーや見どころを予習しておきましょう。
バレエにはセリフではなく、身体の動きを使ってセリフを表す「マイム」というものがあります。
例えば、以下のようなものです。
「愛」や「結婚」の意
「踊る」という意味。「踊りましょう」や「私たちが今から踊ります」という意味で使われることが多い。
「愛している」「好き」という意味
「死」「殺す」という意味
ストーリーを事前に知っておけば、マイムの意味も分かりやすくなります。
『白鳥の湖』2幕、ヒロインのオデットが王子に身の上を伝えるマイム。悪魔の呪いで白鳥に変身させられ、真実の愛を捧げられると呪いが解けるという内容。2:20ごろに、胸に手を当て、薬指を示して「愛」を現すマイムが使われている。また、2:06ごろの、目の下を手で撫でる動きが「涙」を現すのもわかりやすい。
また、作品によっては、拍手が沸き起こる「見どころ」があります。例えば、32回連続で回転をする「グラン・フェッテ」や、連続で回転しながら舞台を一周する「マネージュ」などが決まったときです。
最初のうちは、周りの拍手に合わせておけば大丈夫。ただし、上演中の「手拍子」については、賛否両論があるので注意が必要です。
特に、「グラン・フェッテ」中の手拍子は、ダンサーがリズムを取りにくくなるため控えたほうが良いという意見も多数あります。(バレエ団によっては、手拍子を控えるよう事前アナウンスがあることもあります)
2.3 衣装やセットにも注目しよう
バレエは、踊り、演技、音楽、衣装、セットなどが同時に楽しめる総合芸術です。
ぜひ衣装やセットにも注目してみましょう。
バレエの衣装というと、『白鳥の湖』のようなチュチュ(スカートが横に張り出しているもの)を想像しがちですが、膝が隠れるようなスカートであったり、貴族の「輪っかドレス」などさまざまです。
1:チュチュの例
2:輪っかドレスの例。針金やクジラの髭の輪を骨組みにして裾を広げる。
3:ドレス用骨組みの一種、クリノリン( 2,3 出典:Wikimedia Commons)
男性の衣装も、貴族なのか村の人なのか、その役柄によっても大きく異なります。
面白いものでは、『真夏の夜の夢』という作品では、魔法でロバの姿に変えられた人の役があり、ロバの頭の被り物を被って踊る場面も。
先ほど、バレエ鑑賞初心者さんにおすすめの作品として紹介した『ドン・キホーテ』では、ぽっちゃりとした体型の役も登場します。スリムなダンサーのお腹に詰め物をして、ぽっちゃり見せているのです。
『真夏の夜の夢』00:45~ ロバのハイライト
『ドン・キホーテ』ふとっちょの従者サンチョ・パンサのシーン
また、舞台セットもバレエには欠かせません。
例えば『ロミオとジュリエット』で最も有名なシーン「バルコニーのパ・ド・ドゥ」では、バルコニーの舞台セットが登場し、想い合っているのに結ばれないというロミオとジュリエットの関係性を引き立たせています。
00:40~ バルコニーのセットが登場
世界観を演出する舞台セットにも、各演出家やディレクターのこだわりが見え隠れしています。
ぜひ細かいところまで注目してみてください。
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