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フランス発のコミカルで庶民的なバレエ『ラ・フィユ・マル・ガルデ』(別名『リーズの結婚』)のあらすじや見どころを解説

2.バレエ『ラ・フィユ・マル・ガルデ』ってどんな意味?

Fille Mal Gardee -Sofia Fedorova as Lise, Grigory Riabtzev as Simone, Mikhail Mordkin as Colas

『ラ・フィユ・マル・ガルデ』とは「下手に見張られた娘」「監督の行き届かなかった娘」という意味です。

1789年の初演時には『藁のバレエ、善と悪は紙一重』というタイトルでしたが、1791年の再演時に現在のタイトルに変わったと言われています。

英題は『The Wayward Daughter』。「wayward」とは「わがままな」「言うことを聞かない」といった意味です。

日本では『リーズの結婚』という名称で呼ばれています。

3.バレエ『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の初演はフランス革命が起こった1789年

『ラ・フィユ・マル・ガルデ』は『ジゼル』と並ぶ最古のバレエ作品と言われています。

『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の初演は、1789年7月1日。フランス革命(バスティーユ襲撃)が起こった日の2週間前にフランスの都市・ボルドーで上演されました。

初演の振付は、ジャン・ドーベルヴァルです。ドーベルヴァルは、ピエール=アントワーヌ・ボードワン作の版画『母親に叱られた娘』を見て『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の原案を思いついたと言われています。

Fille Mal Gardee -Pierre Antoine Baudouin -Le Reprimande -1789

その後、フェルディナン・エロルドの音楽を使ったジャン=ピエール・オメール版(パリ・オペラ座のレパートリー)やフレデリック・アシュトン版(英国ロイヤルバレエ団のレパートリー)などが生まれました。現在では、アシュトン版が最も有名です。

ペーター・ルートヴィヒ・ヘルテルが作曲した音楽を使ったマリウス・プティパ/レフ・イワーノフ版ニジンスカ版の演出もあります。

4.バレエ『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の見どころ

『ラ・フィユ・マル・ガルデ』は、観劇初心者でも楽しめる見どころがたくさんあります。

今回は、最も有名な演出であるアシュトン版の見どころを4つご紹介します。

4.1
リーズの母親シモーヌは大柄な男性ダンサーが演じる

リーズの母親であるシモーヌは女性の役ですが、アシュトン版では通常、大柄な男性ダンサーが演じます。

母親を男性ダンサーが踊ることで、存在や動きがよりコミカルになり『ラ・フィユ・マル・ガルデ』の面白さを引き立てているのです。

4.2
大きな拍手が沸き起こる「あやとりのパ・ド・ドゥ」

第1幕で踊られるリーズとコーラスのパ・ド・ドゥでは、ピンクのリボンが使われます。リボンを身体に巻き付けたり、新体操のリボンのように使ったりと、巧みに操りながら踊るのです。

中でも、リボンを互いの身体に巻き付けて形を完成させるシーンは、まるであやとりのよう。このパ・ド・ドゥが「あやとりのパ・ド・ドゥ」と呼ばれる所以です。

「あやとり」が完成したときには、会場から大きな拍手が沸き起こります。

4.3
驚異的なバランス感覚に驚く「リボンのパ・ド・ドゥ」

第1幕第2場の麦畑では、リーズとコーラス、そして農婦たちによる「リボンのパ・ド・ドゥ」が繰り広げられます。

このパ・ド・ドゥでは、農婦たちが持つリボンだけでバランスを取りながら、リーズがゆっくりと回転するシーン(動画1:27頃〜)があり、その驚異的なバランス感覚に驚くこと間違いありません。

リーズとコーラスの合図に使われるリボンが、このパ・ド・ドゥでも2人の愛を示すものとして効果的に使われています。

4.4
コミカルなメロディーとリズムにハマる!「木靴の踊り」

第1幕第2場では、シモーヌと農婦たちによる「木靴の踊り」も見逃せません。

リーズに踊ってほしいと頼まれたシモーヌが、木靴を鳴らしながら農婦たちと踊ります。

まるでタップダンスのようなリズミカルな踊りとコミカルなメロディーは、一度観ればきっと記憶に残るでしょう。演技が多く、比較的踊るシーンが少ないシモーヌの見せ場でもあります。

大柄な男性ダンサーが演じるシモーヌと小柄で可愛い農婦たちのギャップも見どころの一つです。

バレエ歴21年・とあるバレエ教室の現役生徒のまいです! 大好きなバレエの魅力や作品についてご紹介していきます♩

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