プレビュー:勅使川原三郎『ランボー詩集-地獄の季節からイリュミナシオンへ-』8月11日(金),12日(土),13日(日)東京芸術劇場プレイハウス
上段©AkihitoAbe 下段左©MarikoMiura右©Michele Crosera
自ら振付/演出/美術・照明・衣裳デザイン/音楽構成を手がけるダンサー、勅使川原三郎。彼は日本では荻窪のにある小さな劇場カラス アパラタスを本拠地とし、ほぼ毎月新作を発表しています。
そしていきなり世界中の劇場やフェスティバルに招聘されて踊り続けています。世界で非常に高く評価されているからです。国内外を問わず、精力的な活動に目が離せない存在です。
今年は、3月に荻窪のカラス アパラタスで公演を行ったのち、4月にフィレンツェで『Adagio』、ロンドンで『Forest of Confession』(佐東利穂子ソロ)、5月にパリで『Bach, Bartók』(ヴァイオリニスト庄司紗矢香氏と共演)、『Pierrot Lunaire』/『Lost in Dance』、6月にヴェネツィア『Il trionfo del Tempo e del Disinganno(時と悟りの勝利)』(ヘンデル作曲)、そして7月には帰国して名古屋で『ワルツ』を上演しました。
毎月ヨーロッパのどこかでパフォーマンスしていたことになります。ようやく帰国し、東京公演は6月のヴェネツィア公演で共演した二人のダンサーを迎え、新作を披露してくれます。
アレクサンドル・リアブコとハビエル・アラ・サウコとともに
©Akihito Abe
©︎Kiran West|©︎Andrea Avezzù
アーティスティック・コラボレーターとして常に勅使川原と共演している佐東利穂子だけでなく、6月にヴェネツィアで上演したヘンデルのオラトリオ『時と悟りの勝利』で共演したアレクサンドル・リアブコとハビエル・アラ・サウコが、今回共演します。
リアブコはハンブルク・バレエ団のスター・ダンサー。今年の来日公演でも大活躍したことが記憶に新しいですね。勅使川原の創作には一昨年、初めて参加しました。昨年の新国立劇場オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』でも共演し、その完成度の高さ、美しさで、オペラでありながら強烈なダンスの印象を残しました。
ハビエル・アラ・サウコはスペイン出身のダンサー。ドイツのヘッセン州立劇場バレエ団に所属したのち勅使川原とは昨年ヴェネツィア・ビエンナーレ・カレッジ・ダンツァで出会ったとのこと。
6月公演での共演者二人と共に再び新作を踊るのですから、とても良い関係性なのでしょう。期待大です。
一度は経験してほしい
勅使川原三郎の踊る姿を見られることは、大変幸福なことです。内省的で謙虚に真摯にダンスと向き合い、新作を作り続けるそのエネルギー、尽きぬインスピレーション、そして衰えぬダンス……。熱狂的なファンが公演に通いつめているのですが、ぜひ若い方に彼のパフォーマンスに触れてほしいと思います。今回のテーマは「ランボー詩集」。
原作を読んでいないと(知らないと)、難しく感じると先入観を持つかもしれませんが、大事なのは実際のパフォーマンスを経験して感じること。何も感じないことなんてあり得ません。心に残る「何か」を感じてください。
2023年8月11日(金・祝)〜13日(日)
勅使川原三郎『ランボー詩集─地獄の季節からイリュミナシオンへ─』
会場: 東京芸術劇場プレイハウス
開演
8月11日(金・祝) 19:30
12日(土) 18:00
13日(日) 16:00
チケット料金
7,000円〜5,000円
詳しくは:KARAS
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