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プレビュー:新国立劇場オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』5月30日(木)~6月4日(火) 新国立劇場オペラパレス

2024年5月30日(木)〜6月4日(火)
新国立劇場オペラパレス

コジ・ファン・トゥッテ

2組のカップルが巻き起こす恋愛喜劇
アンサンブルを楽しむオペラ


コミカルだけどシニカルさも含む奥深いあらすじ

18世紀のナポリ、フィオルディージとドラベッラという姉妹には、それぞれ士官であるフェルランドとグリエルモという婚約者がいます。老哲学者のドン・グリエルモが男性2人に近づき、「女が貞淑なわけがないだろう」と苦言を呈し、試してみないかと賭けを持ちかけます。男性2人は出征すると嘘をつき、アルバニア人に変装して互いの相手を口説きます。あれこれ策を講じて、ついに2人とも心変わりしてしまい、入れ替わった状態で2組のカップルは結婚式を行います。そこで真実が発覚、姉妹はだまされたことに気づきます。ドン・アルフォンソがうまく場を収め、もとのカップルに戻ってめでたしめでたし……。カラッとした大団円ではすまない雰囲気を醸しつつ物語は終わります。

アンサンブルの妙

フィオルディージとドラベッラ姉妹はお嬢様、フェルランドとグリエルモは素直なおバカ、男性2人が味方につける姉妹の小間使いデスピーナはクールでしたたか、老哲学者ドン・アルフォンソはシニカル、彼らはソロだけでなく、二重唱、三重唱、四重唱と複雑な重唱を繰り広げます。この繊細でそれぞれの声が織りなす美しいアンサンブルがこの作品の1番の聴きどころです。モーツァルトのオペラの真骨頂が楽しめます。

読みかえの楽しさ
舞台はキャンプ場

演出のダミアーノ・ミキエレットは18世紀のナポリから舞台を山奥のキャンプ場に置き換えました。物語は一昼夜で完結するので、キャンプ場での恋の駆け引きは場面設定としては絶妙です。

舞台は山奥の森になり、山小屋やキャンピングカーがあり、焚き火もします。

2011年にこのプロダクションを初演した際、大評判となり「キャンピング・コジ」と呼ばれ親しまれています。

フレッシュなアンサンブルに期待

今回、2011年のこのプロダクションの新制作の際にドラベッラ役を務めたメゾソプラノのダニエラ・ピーニが同じドラベッラ役で登場します。

フィオルディリージ役のソプラノのセレーナ・ガンベローニ、フェルランド役のテノールのジョエル・プリエト、ドン・アルフォンソ役のバス・バリトンのフィリッポ・モラーチェが新国立劇場初登場です。

デスピーナ役は新国立劇場オペラ研修所出身のソプラノの九嶋香奈枝、グリエルモ役にはバリトンの大西宇宙が務めます。

彼らがどんな化学反応を起こすのか楽しみです。

上段左より:セレーナ・ガンベローニ、ダニエラ・ピーニ、九嶋香奈枝
下段左より:ジョエル・プリエト、大西宇宙、フィリッポ・モラーチェ

  新国立劇場「コジ・ファン・トゥッテ」より 撮影:三枝近志


2024年5月30日(木)〜6月4日(火)
新国立劇場オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』
会場:新国立劇場オペラパレス

開演
5月30日(木) 18:30
6月1日(土)14:00 託児サービスあり
2日(日)14:00
4日(火)14:00

会場: 新国立劇場オペラパレス

チケット料金
26,400円〜1,650円

詳しくは:新国立劇場



エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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