【ペレアスとメリザンド ドビュッシー】あらすじで知るお洒落な幻想世界
ペレアスとメリザンド あらすじ
✳︎ 第1幕 ✳︎
時は中世、アルモンド王国国王アルケルの孫ゴローは狩の途中で道に迷います。そして、泉で1人泣いている美女メリザンドに出会います。
「どうして泣いているの?」ゴローが尋ね寄り添おうとすると、
「触らないで!」と繰り返すメリザンド。
ゴローはメリザンドにいろいろと尋ねますが、彼女は濁すばかりではっきりと答えません。
王冠が泉に落ちていることを話すと、「泣いているうちに落ちてしまった。」と言います。
ゴローが拾おうとすると、メリザンドは、「王冠を拾ったら私も落ちる。」と言い放ちます。
ゴローが名前や身分を話すと、メリザンドは自分の名前だけを伝えました。ゴローはメリザンドを説得し、彼女を連れて帰ります。
時が経ち、城には異父弟のペレアスに宛てて、ゴローからの手紙が届きます。
ゴローは他の女性との結婚を勧められていましたが、美しいメリザンドと半年前に結婚したこと、それを認めてもらうよう取りついでほしいことを手紙で告げました。
ゴローとペリアスの母ジュヌヴィエーブは、盲目のアルケル王に手紙を読み聞かせます。アルケル王は、結婚を承諾します。
ペレアスは、危篤状態にある友人の見舞いに行きたいと望みますが、アルケル王はペレアスの父も重症であることから引き止めます。
ゴローとメリザンドは城に入りました。メリザンドはジュヌヴィエーブといます。そこへペレアスが現れます。
ジュヌヴィエーブとペレアスは、「海の方は暗い、嵐がくるかもしれない。」と海を眺めて話しています。
しばらく海の話をして、皆が城内に戻ります。
ペレアスとメリザンド あらすじ
✳︎ 第2幕 ✳︎
打ち解けて仲良くなったペレアスとメリザンドは、話をしながら井戸を眺めています。
楽しくなったメリザンドは、井戸の近くでゴローとの結婚指輪を外し、投げて遊びます。
ペレアスは、「そんなふうに投げないで。」と忠告しますが、メリザンドは聞き留めません。
ついに、メリザンドは井戸の中へ指輪を落としてしまいます。
「これからどうしましょう。」というメリザンドにペレアスは、
「そんなに悩むことはない。」と答えます。
「手に持っているはずだったのに。」と我に返るメリザンド。
「なんてゴローに伝えたら良いか。」と悩みます。
ペレアスは、「彼に本当のことを言いな。」と伝え、2人はその場を離れます。
帰宅したゴローは、狩の途中に落馬して怪我をしていました。
メリザンドは看病をします。ゴローに気配りをするメリザンドですが、ゴローは「大丈夫。」と遠慮します。突然泣き出すメリザンド。
「私は幸せではない。」と言い出します。
「どうして?」と聞くゴローに、メリザンドは「あなたといて幸せではない。」と答えます。
ゴローがメリザンドを説得しようとしていると、ゴローはメリザンドの指輪がないことに気づきます。激怒するゴロー。
「ペレアスとすぐに探しに行け。」と言われたメリザンドは、「私は不幸だ。」と言って部屋を去ります。
ペレアスとメリザンド あらすじ
✳︎ 第3幕 ✳︎
ペレアスは夜明けの洞窟を案内しています。入ってみようとメリザンドを誘導するペレアス。すると、月が洞窟を照らします。洞窟の底では、3人の浮浪者が眠っています。
メリザンドが驚くと、ペレアスは「この国は飢餓が迫っている。」と説明します。
メリザンドは塔に上がり「私の髪は塔の下まで届く。」と言います。
塔の下で「無数の星がある。まだ月は海の上にある。」と話し、光に照らされたメリザンドを見ると、
「美しい。私はもっと近づきたい。」
と口説くペレアス。
メリザンドが「私はペレアスの方へは行けない。」と言うと、ペレアスは、
「明日私は旅へ出る。私の手に唇を付けて。」と頼み込みます。
メリザンドがからかっている内に、長い髪が塔の下へ降りていきます。ペレアスは、メリザンドの髪を、美しさを語りながら枝に巻き付けたりして喜びに浸ります。
すると、ゴローが現れ、ペレアスに「メリザンドは妊娠中なんだから遊ぶな。」と忠告します。
ゴローは前妻との息子イニョルドに、ゴローがいない間のメリザンドのことを聞きますが、曖昧な返事に対し、イニョルドに威圧をかけてしまいます。イニョルドは怖くて怯えます。
ペレアスとメリザンド あらすじ
✳︎ 第4幕 ✳︎
ペレアスは偶然メリザンドと会い、夜に泉で再会することを約束します。ペレアスが去ると、アルケル王が現れ、
「あなたが若すぎて、とても綺麗なので、こんな歳になって会えたことが悲しかった。」
とメリザンドの美しさを讃えています。そこへ現れたゴローは、アルケル王の前でメリザンドに怒りをぶつけます。
ペレアスと何度か会っていることを知って、その怒りでメリザンドを打ち据えます。
夜、泉で再会したペレアスとメリザンド。
ペレアスは、「君がいないと生きられない。明日は旅に出なければならない。」と言い、メリザンドに告白をすると、メリザンドも愛する思いを口にします。
2人の思いが重なり抱擁している中、ゴローは物陰に隠れていました。激怒するゴロー。
そして、メリザンドは死を覚悟で、ペレアスにキスをします。
ゴローはペレアスを刺し、メリザンドは悲鳴をあげて逃げます。ゴローは、逃げるメリザンドを追いかけます。
ペレアスとメリザンド あらすじ
✳︎ 第5幕 ✳︎
ペレアスが刺されてしまうと共に傷を負ったメリザンドは、意識がもうろうとしている状態です。
そんな中、出産の時が迫ってきました。
医者は「傷のせいではない。」といいますがゴローは後悔します。
ゴローはメリザンドと2人きりにしてもらい、メリザンドと話し合います。自分の反省をしつつも、ペレアスとの関係を問う。
「愛しましたが、罪は犯していません。」と答えるメリザンド。
アルケル王と医者を部屋に戻し、メリザンドは生まれた娘へ手を伸ばしながら、息を引き取ります。
アルケル王が娘を抱き、ゴローに「おまえは魂を分かっていない。」と言い、みんなが部屋を去って幕を閉じます。
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