ハンス・クリスチャン・アンデルセン『絵のない絵本』×メンデルスゾーン『無言歌』小説を彩るクラシック#18
ヨナス・コリンとの出会い
14歳のアンデルセンは大都会で何度も挫折をします。劇場では「痩せすぎている」「教養のない人間では無理だ」と門前払いを受けました。声変わりもあり、アンデルセンのオペラ歌手への夢は破れ、「舞台の脚本を書く」という道を模索し始めます。
何度もくじけそうになるなかで、やがて転機が訪れます。第二の父ともいえるヨナス・コリンとの出会いです。コリンはアンデルセンに光るものを見出し、惜しみない援助を行いました。
学校に通い始めたアンデルセンは、徐々に文学の才能を発揮していきます。
大学へ進学し、教養は高まりましたが、アンデルセンが救いを見出したのは文学と旅でした。どうしても馴染めなかった学校生活を飛び出し、ヨーロッパ各地を巡る、諸国漫遊の旅の中で執筆活動を行い、芸術家、詩人、作家などと親交を結びます。
ローマ滞在中に『即興詩人』を執筆。この作品で文名を高め、一躍スター作家になったアンデルセンはフランス、パリでバルザック、ヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・デュマといった名だたる文豪と交流を深めます。
この記事へのコメントはありません。