神様がドタバタ騒ぎ!オッフェンバックのオペレッタ『天国と地獄/地獄のオルフェ』のあらすじや曲を紹介
関連作品
サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「亀」|Tortues “Le carnaval des animaux”
パロディ名人のオッフェンバックが、パロディされる側になったこともありました!
フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が、1886年に作曲した組曲『動物の謝肉祭』第4曲「亀」がそれです。 これは、オペレッタ『天国と地獄』の「地獄のギャロップ」を超スローテンポで演奏するというもの。もし運動会のリレー競技でこの曲が流れてきたら、みんなずっこけるかもしれません!
『動物の謝肉祭』は、このようなパロディを集めた組曲です。サン=サーンス自身もちょっときまりが悪かったのか、自分の生前の公開を禁じました。ただ一つ、完全なオリジナル曲である第13曲「白鳥」だけは生前に出版。現在は、バレエ曲『瀕死の白鳥』としても知られている曲です。
アニメ『takt Op.Destiny』
クラシック音楽の名曲を擬人化したキャラクターが超常の力で戦う2021年のアニメ『takt op.Destiny』で、『地獄のオルフェ』の名を持つキャラクターが登場しています。
その役どころは、物語の黒幕のパートナー、実質のラスボスという大役です。多くの人が犠牲になる代わり、それ以外の人々を救えるという黒幕の計画のため、それを防ごうとする主人公『運命』たちに立ちふさがります。
竪琴を使い、主人公たちに『振り向くな』と告げるなど、実際のモチーフはほとんど神話のオルフェウスなのですが、黒幕の最後のセリフからあえて『地獄のオルフェ』の名を選んだことが察せられるようになっています。2023年春にアニメの後の物語を楽しめるゲーム版が登場予定です。
参考文献
ダヴィッド・リッサン(2000年)『オッフェンバック:音楽における笑い』高橋英郎/東多鶴恵訳 音楽之友社
アラン・ドゥコー(1985年)『パリのオッフェンバック:オペレッタの王』梁木靖弘訳 麦秋社
森佳子(2017年)『オペレッタの幕開け:オッフェンバックと日本近代』青弓社
CD『喜歌劇「天国と地獄」全曲』ウィリー・マッテス指揮、フィルハーモニア・フンガリカ&ケルン歌劇場合唱団、アドルフ・ダルラポッツァ(オルフェ)、1977年収録、EMIミュージック・ジャパン
DVD『喜歌劇《天国と地獄》全2幕(リヨン・オペラ)』マルク・ミンコフスキ指揮、リヨン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/グルノーブル室内管弦楽団、ナタリー・デセイ(ユリディス)、1998年収録、パイオニア
DVD『喜歌劇《天国と地獄(地獄のオルフェ)》』エンリケ・マッツォーラ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/アンネ・ソフィー・フォン・オッター(世論)、2019年収録、キングインターナショナル
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