オペラあらすじ「蝶々夫人」ジャコモ・プッチーニ
蝶々夫人|Madame Butterfly
作曲:ジャコモ・プッチーニ
原作:デイヴィッド・ベラスコ、戯曲『蝶々夫人』
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
初演:1904年2月17日、スカラ座(ミラノ)
構成:全2幕
上演時間:約2時間20分
登場人物
蝶々さん |武家の娘、芸者
ピンカートン|アメリカ海軍の将校
シャープレス|アメリカ領事でピンカートンの友人
スズキ |蝶々さんの使用人
ゴロー |結婚斡旋人
ストーリー
〜愛を信じた蝶々さんの純潔悲劇〜
花咲き乱れる館で美しい蝶々さんと出会う
明治時代、日清戦争目前の長崎。アメリカの将校ピンカートンは、家を購入し、3か月の日本滞在における現地妻の斡旋をゴローに頼みます。今日はその結婚式の日。丘の上の花が咲き乱れる館に花嫁姿の蝶々さんが登場します。
軽い気持ちで結婚するピンカートンをシャープレスが諌めますが彼は聴く耳を持ちません。蝶々さんは武家の娘でしたが、西南戦争で家が没落し、父が亡くなったあと、芸者となり生計をたてていました。まだ15歳の蝶々さんは、この結婚を本物だと信じています。
やがて結婚式が執り行われると、そこに親族の僧侶が現れ、結婚のためにキリスト教に改宗した蝶々さんを責め、親族の縁を切ると宣告します。しかし、蝶々さんは「アメリカ人の妻になったのだから当然です」と強い気持ちで接します。夜になり、悲しむ蝶々さんをピンカートンが慰め、愛の二重唱「星月夜」で1幕が下ります。
花の館で待つ蝶々さんに悲しい現実と運命の日が
ピンカートンがアメリカへ帰国して3年の時が経ち、使用人のスズキと、息子と3人で暮らす蝶々さん。ピンカートンからは何の便りもありません。シャープレスは、ピンカートンから手紙を預かっていました。そこには、アメリカで正式に結婚したことを蝶々さんに伝えてくれと書かれていましたが、彼女の一途な想いを知って、真実を伝えることができずにいました。
有名なアリア「ある晴れた日に」を歌う蝶々さんの耳に祝砲の音が聞こえ、港にピンカートンの乗る船が着いたことを知ります。蝶々さんは大喜びで館を花で飾り、正装をして、ピンカートンの帰りを夜通し待ちますが、彼は帰ってきませんでした。
翌日、ピンカートンは正妻のケイトを伴って現れます。しかし、蝶々さんの一途な想いと息子の存在を知ったピンカートンは、その場から逃げ出し船に戻ってしまいます。ケイトと会った蝶々さんはすべてを悟り、数時間後に息子を引き取りに来てほしいと伝えます。そして、そばにいる息子に目隠しをし、父の形見の短刀で自害。戻ってきたピンカートンの悲痛な叫びの中、幕は下ります。
この記事へのコメントはありません。