プレビュー:東京バレエ団『眠れる森の美女』4月24(木)〜29(火・祝) 東京文化会館

評価の高い新制作が早くも再演

創立60周年記念シリーズの一環として2023年に新制作された『眠れる森の美女』。そもそも『眠り』は規模が大きく、出演者も多くてカンパニーにとって負担が大きい、名実ともにビッグカンパニーでないと上演できない作品です。それを新制作するということは東京バレエ団であってもチャレンジングな試みだったことでしょう。
2023年の初演では、大変な評判となり、高い評価を得ました。演出・振付を手がけた斎藤友佳理団長の「古典主義の端正さ」を歪めることなく、それでいてファンタジックで豪華絢爛、という考え抜かれた作品作りは圧巻でした。これから何十年も踊り継がれていくことを想定した無理のない、そして新鮮味のある振付・演出で技術的にも現代性が加味され、総合的にハイレベルなプロダクションが実現していました。
間をあけずに4月に再演されることはとても楽しみなことです。それは初演時に踊ったダンサーがさらに研鑽を積み再び舞台に上がるからです。深い洞察と鍛錬を積んだパフォーマンスが期待できます。

永久メイ、日本で初めての全幕主演

今回、嬉しいニュースは、マリインスキー・バレエのファースト・ソリストとして活躍している永久メイがオーロラ姫役でゲスト出演することです。日本で全幕作品に主演するのは初めてです。ご存知の通り、現在、ロシアのバレエカンパニーの公演を日本で鑑賞することはできません。マリインスキー・バレエに入団してからガラ以外で永久メイのパフォーマンスに触れる機会のなかった日本のバレエファンにとって、これはとてつもなく嬉しいことです。凛としたクールビューティである永久メイの美しいオーロラ姫に期待しましょう。
さらに、今回大塚卓がデジレ王子デビューとなります。ベジャールの『火の鳥』のタイトルロール、『ロミオとジュリエット』のロミオ等、一役ずつ確実に自分のものとしてきた大塚が、とうとうデジレ王子を踊ります。優秀な男性ダンサーに恵まれている東京バレエ団の新世代のエースである大塚のパフォーマンスに注目です。
キャストは4組で永久メイ&宮川新大、秋山瑛&大塚卓、沖香菜子&秋元康臣、金子仁美&柄本弾です。
長時間にわたる壮大なファンタジーの世界、究極の古典バレエを楽しみましょう。
東京バレエ団『眠れる森の美女』
開演
4月24日(木) 18:30
25日(金) 18:30
26日(土) 12:30/18:30
27日(日) 14:00
28日(月) 14:00
29日(火・祝) 13:00
会場:東京文化会館
チケット料金:15,000〜3,000円
詳しくは:NBS
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