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ニュース:神奈川県立音楽堂室内オペラ・プロジェクト第5弾 ファビオ・ビオンディ指揮エウローパ・ガランテ オペラ「シッラ」日本初演

ヘンデル『シッラ』日本初演 オンライン記者会見(5月19日)

2020年2月、神奈川県立音楽堂ではファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテと歌手、そしてスタッフみなが揃い、オペラ『シッラ』上演に向け準備が進められていた。公演は3日前に中止になった。
前回(2016年)、『メッセニアの神託』を大成功させた実績から大いに期待が高まっていた中での中止で、数多あるコロナ禍ゆえの中止となった公演の中でも特に惜しまれたのだった。

2022年10月にこの公演が実現することになった。
オンラインで記者会見が行われ、イタリアのトリノからファビオ・ビオンディが元気な姿で登場し、前回同様、演出を手がける彌勒(みろく)忠史も登壇した。

音楽監督 ファビオ・ビオンディ


ファビオ・ビオンディ

『シッラ』についてビオンディは「ヘンデルの『シッラ』は美しい音楽で、上演時間もちょうど良いです(バロック・オペラの上演時間は長いものが多い)。初演の記録がないことから謎が多く、忘れられてしまっていた作品ですが、音楽的にはバロック・オペラの性格が全部揃っています。今回ご紹介できるのはすばらしいことで、これから主要なレパートリーになっていけばいいと思っています」とのこと。

またバロック・オペラを紹介し演奏する意義について「音楽は普遍的な人間の感情表現に適しています。作曲当時の人々が思い抱いた感情を現代の私たちも同様に感じることができるのです。前回『メッセニアの神託』公演が成功したことから、文化や場所もこえてこの感情は共有できるのだと思っています。また、作品の歴史的な解釈は重要です。けれども今を生きる私たちにどうアプローチするかということも同じく重要なのです。作品をそのまま再現するのではなく、現代の観客に理解できるようにすることも大事だと思います」と語った。

演出 彌勒忠史


演出の彌勒は「2020年2月26日(公演3日前、中止が決まった日)、マエストロは” 必ずもう一度会いましょう “と言いました。上演の運びとなり嬉しいです。『メッセニアの神託』では(演出は)シンプルで洗練された舞台にしようと思いました。照明や衣装を変えなくても凝縮したドラマができると考え、能舞台を模して石庭を作りました。音楽の要素が充実しているので、音楽の邪魔をせず存分に歌と器楽演奏を楽しんでもらおうというコンセプトが成功したのではと思っています。今回は、歌舞伎の要素を取り入れています。バロック・オペラにはバロック絵画と同じく光と影といったコントラストがドラマで表現されており、それと同じような表現が歌舞伎にもあります。神様が登場するシーンでは観客が驚くような仕掛けがあり、そういったスペクタクル性とやがて大団円へと導びかれるといったところも共通するところがあると思います。文化の違いではなく、共通項を探っていく方が楽しいのではと思うのです」と語った。歌舞伎の演出のひとつとして宙吊りがあるが、どうやら今回はその劇中宙吊りがあるそう。あの音楽堂でどのように宙吊りが披露されるのか楽しみである。

彌勒忠史

もう2年前に舞台は出来上がっていたことから、二人の言葉には余裕と成功への確かな感触が感じられた。

『眠れる森の美女』のように止まっていた時を経て目覚め、『シッラ』に関わるアーティスト、スタッフがまた集結する。幻の舞台がいよいよ私たちの前に現れるのは嬉しい限りだ。『シッラ』は神奈川県立音楽堂にて10月29日(土)、30日(日)(両日とも15時開演)に行われる。

詳しくは神奈川県立音楽堂

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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