プレビュー NISSAY OEPRA 2023『マクベス』11月11日(土)、12日(日)日生劇場
2023年11月11日(土)〜12日(日)
NISSAY OEPRA 2023『マクベス』
53年ぶりに日生劇場で上演されるヴェルディ作品
Nisseigekijou 日生劇場開場60周年記念公演『マクベス』
キャプション・クレジット
開場60周年を迎える日生劇場は、今年の主催公演はとても魅力的なラインナップが続いています。オペラは5月にケルビーニの『メデア』を日本初演し高い評価を得ました。続いて11月に上演されるオペラはヴェルディ『マクベス』です。
日生劇場がヴェルディ作品を上演するのは1970年ベルリン・ドイツ・オペラによる『ファルスタッフ』以来53年ぶりとのことで、大変話題となっています。
演出は日生劇場芸術参与粟國淳、指揮は沼尻竜典、そしてオーケストラは読売交響楽団と盤石なチームで新制作し、シェイクスピアの悲劇を描きます。
欲に駆られた夫婦の末路──ひりつく心理劇をオペラで楽しむ
11世紀スコットランドを舞台に武将マクベスが戦いの帰りに偶然出会った魔女たちに「王になる」と予言されたことから、マクベスとマクベス夫人は人を殺して地位と名誉を手に入れ、次にはそれを守るためにどんどん狂乱状態に陥り、ついには復讐され殺されます。
この作品は悲劇と言っても「悲しみ」というより、じわじわと異常な心理状態に追い詰められ堕ちていく恐ろしい「惨劇」です。
こういう心理劇をオペラでどう表現するかが見どころと言えるでしょう。幸せな気持ちで朗々と高らかに誇らしく歌い上げる、というような場面はありません。例えば第1幕第2場で、マクベスは国王を殺害したことをマクベス夫人に伝えると同時に動揺してしまいます。その様子を見たマクベス夫人が叱咤激励する場面で歌われる「すべてが終わった~宿命の女よ、囁きが」の二重唱においてマクベス夫人は励ますというよりも怖い雰囲気で歌います。
他にも登場人物たちのしぐさ、表情、声色などの小さな変化に注目していくとより楽しめることでしょう。
それぞれの役の解釈が楽しみな豪華なキャスト
2キャスト組まれている出演者を見てみるとみなさん個性的で、どのようなキャラクターを作り上げるのかとても期待が高まります。
11日はマクベスに今井俊輔、マクベス夫人に田崎尚美、バンクォーに伊藤貴之、マクダフに宮里直樹が出演します。12日はマクベスに大沼徹、マクベス夫人に岡田昌子、バンクォーに妻屋秀和、マクダフに大槻孝志が出演します。
シェイクスピアの悲劇として物語は非常に有名ですが、オペラ作品の上演は頻繁に行われているわけではありません。オペラの『マクベス』、ぜひお見逃しなく。
2023年11月11日(土)〜12日(日)
NISSAY OEPRA 2023『マクベス』
会場:日生劇場
開演
11日(土) 14:00
12日(日) 14:00
チケット料金
12,000円〜8,000円(学生席3,000円)
詳しくは:日生劇場
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