プレビュー:ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)「Thanks Gala 2023」

8月4日(金),5日(土)
ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)
「Thanks Gala 2023」

ウクライナ出身のスター・ダンサーが出演する、特別なガラ公演

奇跡の来日から一年、ウクライナから再び日本の地に

今年の7月から日本ツアーを行うウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)。昨年の来日公演は、ニュースでも紹介され、戦禍にあっても変わらぬクオリティで芸術活動を続ける姿に多くの人が心を打たれました。状況は変わらぬものの、彼らは進むことをやめずに新たな創作活動にも着手しています。

そんな今のウクライナ国立バレエに触れることができるだけでなく、ウクライナ出身のトップスターたちが集う特別なガラ公演が行われることになりました。それが今回の「Thanks Gala 2023」公演です。

このガラだから実現した華やかなゲストダンサーたち

ウクライナは優れた世界的なバレエダンサーを数多く輩出していることで知られています。現在、世界中で活躍しているウクライナ出身のダンサーは多く、今回の公演では、日本でも人気の高い、ハンブルク・バレエ団のアレクサンドル・リアブコとパートナーのシルヴィア・アッツォーニ、そして元マリインスキー・バレエのプリンシパル、デニス・マトヴィエンコとパートナーのアナスタシア・マトヴィエンコの4名が、ゲスト出演します。

アッツォーニとリアブコは、長らくハンブルク・バレエ団の芸術監督を務めてきたジョン・ノイマイヤーの作品を踊りこなすノイマイヤー・ダンサーとして知られています。今年の3月の来日公演でも大活躍で魅了されました。またリアブコはここのところ勅使川原三郎とのコラボレーションが続き、勅使川原が演出・振付・美術・衣裳・照明を手がけた新国立劇場オペラの『オルフェオとエウリディーチェ』にも出演し、大変評判となりました。

デニス・マトヴィエンコは、ウクライナ国立バレエの附属バレエ学校で学んだのちにウクライナ国立バレエにソリストとして入団し、ダンサーとしてのキャリアをスタートさせます。マリインスキー・バレエに移籍しワールド・ワイドに活躍をし、2011年から2013年にはウクライナ国立バレエの芸術監督も務めました。アナスタシアとともに、日本で踊ることも多く、日本にもたくさんのファンがいます。

彼らがウクライナ国立バレエのダンサーと同じ舞台に立つ今回のガラは、大変貴重な機会となります。

魅力的なプログラム

ウクライナへの侵攻が始まってからウクライナ国立歌劇場の芸術活動継続支援を目的とした義援金が集められ、その日本からの義援金はウクライナ国立歌劇場の意向で、新たな振付家に依頼する新作の制作費や、『ジゼル』の舞台装置のリニューアル、劇場の活動費などに使用されました。今回の来日公演では、義援金の一部を充てて制作された気鋭の振付家ハンス・ファン・マーネン振付の『ファイブ・タンゴ』が日本初演されます。



また、アッツォーニとリアブコはノイマイヤー振付の『シルヴィア』、マトヴィエンコ夫妻はクルグ振付の『Ssss・・・』を披露します。劇場新制作として今年5月に初演したばかりの『ファイブ・タンゴ』初披露と共に、新しい劇場の姿が垣間見れる公演に期待が高まります。

さらに『パキータ』『森の詩』など、このバレエ団が得意とするクラシカルな作品も上演。オリガ・ゴリッツァ、ニキータ・スハルコフ、オレクサンドル・オメリチェンコといったバレエ団トップのプリンシパル(最高位のソリスト)や、ファースト・ソリストのイローナ・クラフチェンコ、愛らしいカテリーナ・ミクルーハといった新世代を含めた豪華なスターが揃い、ガラ公演を盛り上げます。



現代作品を委嘱するなど、新たな道を進み出した今のウクライナ国立バレエを体験する『パキータ』、また故郷を思い集まったスター・ダンサーたちの至極のパフォーマンスを鑑賞する貴重な機会です。ぜひ劇場へ足を運びましょう。


2023年8月4日(金)、5日(土)
ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)
「Thanks Gala 2023」
会場:東京文化会館 大ホール

開演
4日(金) 19時
5日(土) 12時、16時

★チケット料金:
S席12000円〜B席 6000円

詳しくは: 光藍社

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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