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プレビュー:パリ・オペラ座バレエ団2024年日本公演『白鳥の湖』『マノン』2月8日(木)~18日(日)東京文化会館

2024年2月8日(木)〜18日(日)
パリ・オペラ座バレエ団2024年日本公演『白鳥の湖』『マノン』

4年ぶり、待望の来日公演
ジョゼ・マルティネス芸術監督就任後、初の日本公演


エトワールの平均年齢が25歳!アップデートし続ける世界最古のバレエ団

ルドルフ・ヌレエフ振付・演出「白鳥の湖」(オデット)パク・セウン photo: Julien Benhamou/OnP
 

パリ・オペラ座バレエ団が2月に引っ越し公演を行います。2020年以来4年ぶりとなります。

2020年の来日は2月の末から3月にかけてでした。『ジゼル』と『オネーギン』の2作品が予定通り上演されたのですが、日本にもパンデミックが迫ってきており、会場入り口ではマスクが配られていて緊張感を伴う鑑賞となりました。この来日公演以降、海外からの来日公演はピタッと途絶えてしまったのです。

それからパリ・オペラ座バレエ団がパンデミックで練習ができなかったり公演が中止になったりする様子が描かれたドキュメンタリー映画『新章 パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり』が2022年8月に公開されました。そして2023年7月には「オペラ座ガラ ヌレエフに捧ぐ」と題した来日ガラ公演が行われ、めでたく2024年2月にカンパニーの引っ越し公演が行われることとなったのです。

今回は、2022年にかつてエトワールだったジョゼ・マルティネスが芸術監督となって初めての来日となります。また前回の来日公演から新たにポール・マルク、パク・セウン、オニール八菜がエトワールに任命され、エトワールの平均年齢が25歳という若さに。マルティネス率いる新しいパリ・オペラ座バレエ団のお披露目公演ともいえます。

18年ぶりに日本で上演されるヌレエフ版『白鳥の湖』の見どころ

ルドルフ・ヌレエフ振付・演出「白鳥の湖」
(オディール)アマンディーヌ・アルビッソン
(ジークフリート)ジェレミー=ルー・ケール photo: Yonathan Kellerman/OnP

ソ連から劇的な亡命を果たし、西側で活躍した伝説のバレエ・ダンサー、ルドルフ・ヌレエフはかつてパリ・オペラ座バレエ団の芸術監督を務めていました。彼は古典バレエの作品を次々と改訂振付・演出を施しました。それらはパリ・オペラ座バレエ団にとってまさに宝物。今回のヌレエフ版『白鳥の湖』の日本上演は、18年ぶりになります。

格調高く静謐な美しさをたたえた舞台は圧巻。コール・ド・バレエの美しさ、特にフォーメーションが変化する様子もとてもおもしろく注目です。

ドラマティック・バレエの代表作『マノン』
パリ・オペラ座バレエ団による日本上演は初めて

(マノン)リュドミラ・パリエロ (デ・グリュー)マルク・モロー photo: Svetlana Loboff/OnP  

『マノン』はプレヴォーの小説『マノン・レスコー』にケネス・マクミランが振り付けたドラマティック・バレエの傑作です。音楽はジュール・マスネ、マスネには『マノン』というオペラがありますが、この作品においてマスネのオペラの音楽は全く使われていません。マスネのさまざまな作品『聖処女』『エレジー』などを使用しており、これが抜群に良い意味でのメロドラマ感を生み出しています。

マクミランの振付はとても官能的かつ演劇的。マノンとデ・グリューによる2つのパ・ド・ドゥ──「寝室のパ・ド・ドゥ」、「沼地のパ・ド・ドゥ」──はもちろん、第2幕高級娼館でのレスコーと娼婦による「酔っ払いのパ・ド・ドゥ」、男たちの手によって行き交うマノンの扱い方、マノンのソロなど超絶技巧を駆使した性的描写は非常に効果的で魅了されます。

ドラマティック・バレエの代表作は、パリ・オペラ座バレエ団でも盛んに上演されており、演劇の国の英国ロイヤル・バレエ団とはまた異なる美しい表現で楽しませてくれます。

どのキャストで見るか

ケネス・マクミラン振付「マノン」(マノン)ドロテ・ジルベール (デ・グリュー)ユーゴ・マルシャンphoto: Svetlana Loboff/OnP

『白鳥の湖』、『マノン』ともに5公演あります。『白鳥の湖』は4キャスト、『マノン』は3キャスト用意されています。どのキャストを選ぶかはたいそう悩ましい決断で、迷うところです。『白鳥の湖』初日はオニール八菜&ジェルマン・ルーヴェ、『マノン』初日はドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャンが登場します。

こんなに美しいものがあるのか、と感嘆してしまうほどのパフォーマンスを見せてくれるパリ・オペラ座バレエ団は、まさに「特別」なカンパニー。おしゃれをして劇場へ出かけましょう。


2024年2月8日(木)〜18日(日)
パリ・オペラ座バレエ2024年日本公演『白鳥の湖』『マノン』
会場:東京文化会館

開演
『白鳥の湖』
2月8日(木)18:30
9日(金)18:30
10日(土)13:30/18:30
11日(日)13:30

『マノン』
2月16日(金)19:00
17日(土)13:30/18:30
18日(日)13:30/18:30

チケット料金
27,000円〜10,000円

詳しくは:NBS



エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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