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プレビュー:プレビュー 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン『ドン・キホーテ』1月26日(金)公開 英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24

2024年1月26日(金)~2月1日(木) TOHOシネマズ 日本橋ほか1週間限定公開
『ドン・キホーテ』


世界最高峰、最新のバレエがここに 
ずば抜けた力量で魅了する主役の二人

シーズンのオープニングは『ドン・キホーテ

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン、バレエのオープニングは『ドン・キホーテ』です。

昨年11月7日の公演を収録したもので、この日は国民保健サービスの職員(National Health Service、通称NHS)、教師、ウクライナ避難民による合唱団、ロイヤル・バレエ・スクールのメンバーが招待されたほか、英国王チャールズ3世とカミラ王妃も臨席されるというスペシャルな夜となりました。

英ロイヤル・バレエの『ドン・キホーテ』は、2013年に制作されたカルロス・アコスタ版です。アコスタはかつて英ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、現在は英バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督を務めています。難度の高い技を駆使した見どころ満載のアコスタ版は、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンでこれまでも取り上げられていましたが、今回も迫力満点、気分が高揚する楽しい舞台となっています。

主役の二人が出色
他の役柄も見どころ満載

もともと『ドン・キホーテ』は全編、踊りまくっている印象がありますが、この版も超絶技巧が次々繰り出され、圧倒されまくります。

特に、主役の二人、バジル役のマシュー・ボールとキトリ役のマヤラ・マグリが素晴らしく、難なく踊りこなしているだけでなく、どことなくおっとりとした品の良さを感じさせます。演奏も走り気味というよりはインテンポで、割と落ち着いています。

マグリは主役としてシネマシーズンには初登場となります。笑顔がキュートです。ダイナミックなキトリはもちろん、第2幕のドルシネア姫でも優雅なお姫様を披露してくれています。

マシュー・ボールは何を踊っても美しくかつ力強くて英ロイヤル・バレエ団のエースですが、ここでもずば抜けた跳躍、キレの良さ、リフト、サポートを見せてくれています。第3幕のパ・ド・ドゥも完璧。最後まで笑顔で駆け抜けるスタミナには脱帽です。

また、主役以外のキャスト、例えばドン・キホーテ役のギャリー・エイヴィスは、以前はロレンツォ役を演じていましたが、今回はドン・キホーテです。ドン・キホーテは「なんか変な人」という立ち位置なのですが、オーバーアクションではなく、的確な縁起でドン・キホーテの威厳も物語を展開していく力量も発揮、とても魅了されます。ガマーシュ役のジェームズ・ヘイも然り。舞台上での演技がわざとらしくなく、でもキャラクターを強く印象づける演技力はさすがです。

バレエ初心者もコアなファンも、鑑賞するすべての人を幸せな気持ちさせるこの舞台。アクロバティックなテクニックもさらっとやってのけ、物語もしっかり観客に伝わってきます。どこを切り取っても見どころばかりの稀有なステージをぜひお楽しみください。

画像|©2019 ROH. Photographed by Andrej Uspenski


1/26(金)~2/1(木) TOHOシネマズ 日本橋ほか1週間限定公開
英国ロイヤル/オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24

『ドン・キホーテ』

開演
各劇場による

チケット料金
一般・シニア 3,700円
学生・小人  2,500円

詳しくは:東宝東和



エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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