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プレビュー:映画パリ・オペラ座 in シネマ 2025『カルメン』7月4日(金)~7月10日(木) TOHO シネマズ 日本橋 ほか

ガランチャ&アラーニャによる
2017年のビエイト演出公演


7月4日から9月18日まで、パリ・オペラ座で上演されたオペラとバレエ、3作品が映画館で公開されます。
待望のパリ・オペラ座のシネマシーズン、最初は『カルメン』です。それも、2017年7月16日に上演されたカリスト・ビエイト演出によるプロダクション。カルメンにエリーナ・ガランチャ、ドン・ホセにロベルト・アラーニャという大スターが演じており、通の方ならピンとくるあのプロダクションなのです。
ピエイトはもともと過激な演出で知られており、このプロダクションでも感情が行動に直結する奔放な登場人物をリアルに描きます。
オペラ『カルメン』はパリのオペラ・コミック座で1875年に初演されました。今年は初演150周年を記念した特別上映となります。

エロと暴力
なかなかの衝撃

このプロダクション、なにがすごいかというと、とにかくエロティックなのです。登場人物だれもかれも官能的で直截的な仕草が頻繁に出てきます。さらに、そんなに若くなく、そしてスタイル抜群とは言い難い人ばかりで妙に生々しく映ります。
あまりにみんな強烈な個性を放っているので天下の色男、エスカミーリョが案外普通の男性というか物わかりのいい大人に見えてしまいます。

とびきりチャーミングなカルメンとドン・ホセ

そんな猥雑さの中でカルメンを当たり役としているガランチャは佇まいに品があり、単なる自由奔放で気性の荒いカルメンではない深みを出しています。また、アラーニャの声は本当にチャーミング、フランス人ゆえネイティブの歌唱は余裕があり艶やかで、こんなドン・ホセが見てみたかった、と思わされるほど魅力的です。特に破滅へ向かう終盤の迫力は聴きごたえがあります。今回の上映は貴重な機会です。映画館で美声に酔いしれましょう。

画像:© Vincent Pontet


映画パリ・オペラ座 in シネマ 2025『カルメン』
7/4(金)~7/10(木) TOHO シネマズ 日本橋 ほか 1 週間限定公開
開演
各劇場による
チケット料金
一般・シニア 3,700円
学生・小人 2,500円

詳しくは:東宝東和

エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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