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プレビュー:2023年4月29日(土・祝)〜5月6日(土)「シェイクスピア・ダブルビル」新国立劇場バレエ団

2023年4月29日(土・祝)〜5月6日(土)
新国立劇場バレエ団

「シェイクスピア・ダブルビル」
『夏の夜の夢』『マクベス』

シェイクスピアをバレエで楽しむ
シリアスな悲劇とコミカルでファンタジー、対照的な2作品

新国立劇場バレエ団が、今年のゴールデンウィークにシェイクスピアの戯曲2作『夏の夜の夢』と『マクベス』を新制作で上演します。1幕ものそれぞれ1時間あまりの上演時間、有名な原作ですので、誰にでも楽しめることでしょう。

気鋭の振付家、ウィル・タケット振付の『マクベス』は世界初演

ウィル・タケット©︎Barbara Banks


ウィル・タケットは英国ロイヤル・バレエ団に所属していた元バレエ・ダンサーで、現在世界中の舞台を演出・振付しており、2014年にはローレンス・オリヴィエ賞も受賞しています。日本では『鶴』、『兵士の物語』、『ピサロ』、『カスパー』などの舞台の演出・振付を手掛けています。

今回新国立劇場バレエ団の新作のために選んだ作品は『マクベス』。ヴェルディがオペラ化していますが、このバレエはヴェルディの音楽ではなく、ジェラルディン・ミュシャという作曲家が遺した『マクベス組曲』を使用しています。

ご存知、野心に駆られた夫婦の破滅の物語。夫マクベスは武将で十分だったのにより一層権力欲に執着する妻のために、王位を得るけれど結局二人とも死んでしまいます。

3月に行われた公開リハーサルでは、マクベス夫人のソロと、戦争から戻った夫を迎えてのパ・ド・ドゥが披露されました。

「マクベスは、戦士として有能なので地位を与えられているが、生まれついた階級ではマクベス夫人の方が位は上になる。そのため2人の間には明らかなヒエラルキーが存在している。同じシェイクスピアの作品でも『ロミオとジュリエット』では14歳と16歳の若い2人の初恋を描いているけれど、『マクベス』の二人は年齢的にもっと上で、夫婦として肉体関係を持ったうえで惹かれ合っている。マクベス夫人は、戦気の雰囲気をたたえたまま戻ってきたマクベスをセクシーで魅力的だと感じていて、そこから生じる緊張感をパワフルに描きたい」

タケットはマクベスとマクベス夫人との関係についてこのように語っていました。
大人の男女の野望、狂気、そして破滅を描く緊張感あるビターな作品となりそうです。

美しい妖精の世界を楽しめる『夏の夜の夢』

©2017 ROH. ©︎Tristram Kenton

2022年の「ニューイヤー・バレエ」で上演される予定が公演中止となり、ようやく上演される期待の『夏の夜の夢』。フレデリック・アシュトン振付の1幕の作品です。

夏至の夜、妖精の王オベロンと女王タイターニア、パックらが住む森に2組のカップルがやってきます。惚れ薬を手にしたパックが王に命じられて女王にいたずらを仕掛けようとしたけれど……、最後は大団円となります。

音楽はメンデルスゾーンです。「結婚行進曲」も使われますし、フルートによる「スケルツォ」でのオベロンとパックとのスピーディな超絶ステップの応酬や、オベロンとタイターニアの美しいパ・ド・ドゥはホルンによる「夜想曲」で踊られ、見どころがたくさん。ロバの被り物をつけたボトムも登場し楽しさ満載です。

本当に真夏の夜に妖精の森の中をのぞいて見ているような、ファンタジックでポエティックな作品です。

関連イベントもチェック


今回の公演に関してスペシャルイベントがいくつかあります。

5月2日(火)には「クラスレッスン見学会」と「プレトーク」。「クラスレッスン見学会」は新国立劇場バレエ団のメンバーによる舞台上でのクラスレッスンで、大変貴重な機会です。事前予約は不要で、無料で見学できます。振付家ウィル・タケットと吉田都芸術監督による「プレトーク」は予約不要、出入り自由。この日の公演チケットをお持ちの方が参加できます。

5月3日(水・祝)には「プロダクションガイドツアー」が行われます。終演後の舞台裏で照明や装置などを解説してもらえます。こちらは事前申し込みが必要で人数限定、年齢制限があります。よくホームページで内容を確認して参加しましょう。


2023年4月29日(土・祝)〜5月6日(土)
新国立劇場バレエ団
「シェイクスピア・ダブルビル」
会場:新国立劇場 オペラパレス

開演
4月29日(土・祝) 14:00
4月30日(日) 14:00
5月2日(火) 19:00
5月3日(水・祝) 14:00
5月4日(木・祝) 14:00
5月5日(金・祝) 14:00
5月6日(土) 14:00

★ チケット料金
13,200円〜3,300円

詳しくは:新国立劇場


【関連イベント】会場:新国立劇場オペラパレス

2023年5月2日(火)
————————————
「クラスレッスン見学会」
15:45~17:00 (開場:15:15~)

料金:無料
事前予約不要/先着順

「プレトーク」
18:35~18:50(予定)

登壇者:ウィル・タケット
聞き手:吉田都芸術監督
事前予約不要
*5月2日公演のチケットをお持ちの方のみ
*トーク中の録音、録画、写真撮影不可
*出入り自由

2023年5月3日(水・祝)
————————————
「プロダクションガイドツアー」(25歳以下限定)
終演後(60分間程度)

料金:無料
受付方法:事前申し込み・抽選制(定員:60名)
*5月3日公演チケットをお持ちの方のみ
*お申込みグループ中に25歳以下を含むこと

詳しくは:「シェイクスピア・ダブルビル」関連イベント


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エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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