プレビュー:ローマ歌劇場『トスカ』『椿姫』2023年9月13日(水)〜26日(火)

2023年9月13日(水)〜26日(火)
ローマ歌劇場『トスカ』『椿姫』

4年ぶりの海外歌劇場の引越公演 人生の贅沢、思い切って経験したい

ゼッフィレッリ演出『トスカ』、ソフィア・コッポラ演出『椿姫』


かつて、毎年のように海外の一流オペラハウスやバレエ・カンパニーが丸ごと来日して引越公演を開催していました。もう忘れかけている今、延期となっていた名門ローマ歌劇場が引越公演を行います。
夢のようですが現実です。

上演するのはローマ歌劇場が初演であるプッチーニの『トスカ』とヴェルディの『椿姫』の2作品。

演出・美術:フランコ・ゼフィレッリ
Photo:C.M.Falsini

『トスカ』はフランコ・ゼッフィレッリの演出版です。ゼッフィレッリは映画監督として有名ですが、オペラの演出も多数手がけており、モダンな読み替えはせず、オーソドックスでコンサバティブな演出で有名です。

特にイタリアもの、ヴェルディやプッチーニ作品には定評があり、絢爛豪華で大掛かりな舞台美術は際立っています。

今年はゼッフィレッリ生誕100年に当たるメモリアル・イヤーで、2008年に初演したゼッフィレッリ版を15年ぶりに上演します。

衣装:ヴァレンティノ・ガラヴァーニ  演出:ソフィア・コッポラ
                           Photo :Dick Page &James Gibbs

『椿姫』は映画監督ソフィア・コッポラ演出です。2018年に日本でも上演したので記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。ソフィア・コッポラの演出も奇想天外なものではなく、社交界に生きるヴィオレッタと運命の相手、アルフレードの物語を楽しめます。

ヴァレンティノ・カラヴァーニの衣裳を纏った美しいヴィオレッタに感嘆することでしょう。

一流の歌手のパフォーマンスにしびれる

カヴァラドッシ:ヴィットリオ・グリゴーロ

トスカ:ソニア・ヨンチェヴァ
Photo: Thomas Laisné

スカルピア:ロマン・ブルデンコ
Photo: Daniil Rabovsky

アルファード:フランチェスコ・メーリ
Photo: Victor Santiago

ヴィオレッタ:リセット・オロペサ
Photo: Jason Homa

ジェルモン:アマルトゥブシン・エンクバート
Photo: Laura Scaccabarozzi

『椿姫』ではヴィオレッタにリセット・オロペサ、アルフレードにフランチェスコ・メーリ、ジェルモンにアマルトゥブシン・エンクバートがキャスティングされています。

『トスカ』はトスカにソニア・ヨンチェヴァ、カヴァラドッシにヴィットリオ・グリゴーロ、スカルピアにロマン・ブルデンコがキャスティングされています。

最近、日本でリサイタルを行っている歌手が多く、彼らがグランド・オペラで役柄をどう演じ歌うのか、興味深いですね。

そして昨年、この劇場の音楽監督になったばかりのミケーレ・マリオッティが指揮します。名門オペラハウスの若々しいサウンドが新鮮に感じられることでしょう。

指揮:ミケーレ・マリオッティ
Photo: Victor Santiago

劇場で、ライブで、感動しよう

劇場が閉鎖されていた時に贅沢な舞台の無料配信が続き、すっかりそれに慣れてしまった感がありますが、やはり大人数で作り上げる舞台をライブで鑑賞する経験には得難いものがあります。

生涯忘れられない、強烈な感動の鑑賞をぜひ劇場でしましょう。

舞台写真椿姫:Kiyonori Hasegawaトスカ:C. M. Falsini / TOR


『椿姫』
開演
9月13日(水)15時
16日(土) 15時
18日(月・祝) 15時
会場:東京文化会館
『トスカ』
開演
9月17日(日)15時
会場:神奈川県民ホール

開演
9月21日(木)15時
24日(日)15時
26日(火)15時
会場:東京文化会館

チケット料金
59,000円〜20,000円

詳しくは:NBS



エディター・ライター 出版社勤務を経てフリーランスのエディター、ライターとして活動中。 クラシック音楽、バレエ、ダンスを得意ジャンルとする。

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