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コラム:東本願寺の名勝渉成園(東本願寺・飛地境内地)~100年前の庭園をよみがえらせたい~

東本願寺・渉成園~その変遷『屋敷』から『御殿』『渉成園』へ

徳川家光より拝領した庭園                     以前の屋敷の石垣などを塀にした高石垣

 渉成園は、東本願寺の飛地境内地の庭園で三代将軍家光より寄進された広さ一万六百坪の広さを有する庭園です。その利用の形態は、時代より変化してきました。隠居屋敷、東殿、そして渉成園へと役割が変わり、住まいより後に『迎賓館』に使用されることで数々の文化人たちに愛される『渉成園十三景』が誕生し、

名園としての地位を確立しました。

庭園の樹木を当初の姿に復元を目指す

100年前の景色にもどす努力を日々行っている

 渉成園は、庭の独自性、それを支える技術、そして庭に価値を見出す人々の協力により360年もの間、市中の一等地でありながら奇跡的にその姿を残しています。
しかし、古絵図に描かれている渉成園は、現在の姿と違っています。それは年月により樹木の様子が変わってしまったためです。現在は、昔の姿に近しくなるよう、鳥などが運んできた種から大きく育った樹木を選定を進めているそうです。保存修理事業に関わっている植彌加藤造園株式会社の和田貴子さんと庭師の方に案内していただきました。

10年計画での進められている本格的修理

庭園ができたころのシンボルツリー                 かつて高瀬川より水を引いていたときに使用されていた水道管

また、建物、庭園も現在痛みが進行して、現在本格的な修理が必要となっています。10カ年の計画で整備、修理が行われています。今後の100年も美しい庭園の姿を見ることができるようぜひ見守っていきたいと思いました。

ライター:
秦 雪絵 アメリカ合衆国ニューハンプシャー州ハノーバー生まれ。学習院大学卒
1989年より、20数年にわたりフランスの銘陶ジアンの日本の専属輸入販売会社 ㈱ジアン ジャパンの社長を務める。そのかたわら、フランスの文化、生活などを伝えるため、百貨店やサロンでの文化歴史を織り込んだ講演を行う。
現在は、オペラ、バレエなどクラシックの情報を発信する、ネットメディア「オペラハーツ」において、公演の取材、執筆、編集を担っている。
並行して、日本文化のよさを伝えるため、取材に赴き食文化、茶道文化、和服文化の振興にも積極的に取り組んでいる。

「オペラハーツ」副編集長

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